ジョルジュ・アペール

ジョルジュ・ヴィクトル・アペール

ジョルジュ・ヴィクトル・アペール（Georges Victor Appert, 1850年9月1日 - 1934年3月28日）は、フランスの法学者であり、日本研究者としても知られています。彼は明治時代に来日し、お雇い外国人として日本の法学教育に貢献しました。

生涯

1850年、フランスのシャンパーニュ地方マルヌ県エペルネで生まれたアペールは、1869年にパリ大学法学部に入学し、1872年に法学博士号を取得しました。その後、弁護士として活動していましたが、1879年に日本政府との雇用契約を結び、来日することになります。

アペールは、司法省の法律顧問兼法学教師として、司法省法学校、明治法律学校（現在の明治大学）、東京法学校（現在の中央大学）などで教鞭を執りました。彼の専門知識は、当時の日本の法学教育に大きな影響を与えたと考えられています。

1884年、アペールは父の病気のため一時帰国しましたが、翌年には再び日本に戻り、東京大学法学部教師に就任しました。また、東京法学校でも再び教壇に立ち、日本の法学教育に貢献しました。

1889年にフランスに帰国したアペールは、母校であるパリ大学の講師となり、法律雑誌の編集に携わる傍ら、日本の古法である大宝律令や御成敗式目のフランス語訳を発表しました。彼の研究は、ヨーロッパにおける日本法制への関心を高める上で重要な役割を果たしました。1934年3月28日、アペールはパリの自宅で肺充血のため亡くなりました。彼の葬儀には、多くの在仏日本人が参列し、その功績を偲びました。

栄典と著作

アペールは、日本政府から勲四等旭日小綬章（1884年）を授与されています。

彼の著書には、以下のようなものがあります。

『Du terme en droit romain et en droit français』（1876年）
『経済学講義』（1883年）
『理財学講義』（1884年）
『Dictionnaire des termes de droit, d'économie politique et d'administration』（1885年）
『旧日本（Ancien Japon）』（1888年）
『仏国商社法要義』（1890年）
『Un code de la féodalité Japonaise au XIIIe siècle』（1900年）
『日本立法資料全集』 別巻 337、仏国相続法講義（2005年）

これらの著作からもわかるように、アペールは法学だけでなく、経済学や日本文化にも深い関心を持っていました。彼の著作は、当時の日本社会や文化を理解する上で貴重な資料となっています。

研究と影響

アペールの研究は、日本とフランスの法学交流に大きな影響を与えました。彼の日本法制に関する研究は、ヨーロッパにおける日本研究の発展にも貢献しました。また、彼の教え子の中には、日本の法曹界や学界で活躍した人物も多くいます。

アペールは、日本の近代化に貢献したお雇い外国人の中でも、特に重要な人物の一人と言えるでしょう。彼の業績は、現代においても高く評価されています。

参考文献

『日本の近代化とグランド・ゼコール─黎明期の日仏交流 』 柘植書房新社 2008年
武内博『来日西洋人名事典』 日外アソシエーツ、1995年　ISBN 4-8169-1277-0
法政大学 『法政大学百年史』 1980年
明治大学史資料センター 『明治大学小史―人物編』 2011年　ISBN 978-4-7620-2217-3
法政大学の歴史（その72）「ジョルジュ・アペール（Georges Victor Appert）―草創期のフランス人教師」
Georges Appertに関連する著作物 - インターネットアーカイブ

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