ジョルジュ・ティエリ・ダルジャンリュー

ジョルジュ・ティエリ・ダルジャンリュー：信仰と祖国に生きた提督

ジョルジュ・ティエリ・ダルジャンリュー（1889年8月7日 - 1964年9月7日）は、フランス海軍の軍人、提督であり、自由フランス軍の重要な一員でした。さらに、カトリック教会のカルメル会司祭でもありました。

生涯

ブルターニュ地方の名門の家系に生まれたダルジャンリューは、代々軍人を輩出する家柄でした。その伝統に従い、海軍士官学校に入学し、17歳で卒業しました。第一次世界大戦に従軍し、モロッコ遠征での功績が認められ、レジオンドヌール勲章を受章しました。

1920年、周囲の期待にもかかわらず、ダルジャンリューは海軍を退官し、カルメル会に入会しました。「三位一体のルイ」と名乗り、司祭として様々な聖務に携わりました。

1939年夏、パリ管区長を務めていたダルジャンリューは還俗し、海軍に復帰しました。参謀幕僚としてシェルブールに駐屯しましたが、1940年、ドイツ軍との激戦で捕らえられました。しかし、3日目に脱出し、ノルマンディーの農夫に変装してイギリスへ亡命しました。ダンケルクから逃れてきたフランス人亡命者たちとロンドンで再会し、シャルル・ド・ゴールと共に自由フランス軍を結成しました。同年末、ド・ゴールと共にヴィシー政権の放棄を入植者に説得するためダカールへ向かいましたが、陸上からの攻撃を受け負傷しました。その後、ガボンなどアフリカ各地への攻撃を指揮しました。1941年には、フランス領の高等弁務官に任命され、フランスの各植民地を連合国側に引き入れました。また、外交官としてカナダ、アメリカ合衆国に派遣され、セオドア・ルーズベルト大統領と会見しました。

1943年、ロンドンに戻り海軍司令官に任命され、ノルマンディー上陸作戦に参加しました。1944年、フランスは勝利し、ダルジャンリューはド・ゴールらと共にシャンゼリゼ通りを歩きました。第二次世界大戦終結後の1945年、インドシナ提督、その他地域のフランス軍最高司令官を務めた後、1947年に聖職者に戻り、教会活動に従事しました。世間から隠れるように修道生活を送り、1964年に亡くなりました。

ダルジャンリューの生涯は、軍人、聖職者、そして愛国者という、複数の顔を持つ人物の葛藤と信念を映し出しています。彼の行動は、常にフランスへの深い愛と、神への信仰に根ざしていました。

参考文献

トマス・ロアバック『カリットへの旅』サンパウロ 2003年

関連項目

自由フランス軍

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