ジョン・ウォーラー

ジョン・ゲージ・ウォーラー（John Gage Waller、1863年1月26日 - 1945年3月22日）は、カナダ聖公会伝道協会の宣教師として、明治から昭和にかけての日本で伝道活動と社会福祉に尽力した人物です。

生い立ちとカナダでの活動

1863年、ウォーラーはカナダの南オンタリオ州の農場で生まれました。トリニティ・カレッジで学び、カナダ聖公会の聖アンナ教会で副牧師を務めました。1887年に執事、1888年には司祭の按手礼を受けています。

日本での宣教活動

1890年、ウォーラーはカナダ聖公会伝道協会の宣教師として来日しました。当初は東京で伝道活動を行いましたが、後にビューテス主教の要請を受け、福島県での伝道に携わります。1892年からは長野県を中心に伝道活動を展開し、長野（長野聖救主教会）、千曲市稲荷山（稲荷山諸聖徒教会）、飯山、新潟県高田（現在の上越市）などに教会を設立しました。これらの教会は、地域社会に根ざした活動を行い、キリスト教信仰の普及に貢献しました。

新生療養所の設立

ウォーラーは、伝道活動に加えて、社会福祉にも力を注ぎました。特に、当時の日本では不治の病とされていた結核の患者のために、長野県小布施に新生療養所を設立しました。この療養所は、結核患者への医療ケアを提供するだけでなく、精神的なサポートも行う場所として、多くの人々に希望を与えました。

晩年

1938年に妻が日本で亡くなりました。太平洋戦争中の1942年にカナダに帰国し、1945年にハミルトンで生涯を閉じました。ウォーラーの日本での活動は、キリスト教の伝道だけでなく、日本の社会福祉にも大きな影響を与えました。

参考文献

『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年
* 小林史郎著『ウォーラー司祭　その生涯と家庭』（2005年)

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