ジョン・カボット

ジョン・カボット（John Cabot, 1450年頃 - 1498年）は、イタリアのジェノヴァで生まれ、カトリック教徒でした。本名はジョヴァンニ・カボート（Giovanni Caboto）といい、航海者として名を馳せました。

生涯

カボットは、コロンブスと同じくジェノヴァで生まれ、前半生はヴェネツィアで活動しました。1484年にイングランドに移住し、その後の人生を航海に捧げることになります。1496年、カボットはイングランド王ヘンリー7世から探検許可を得て、ブリストルを出港しました。しかし、この最初の航海は失敗に終わりました。

翌1497年、カボットは息子のセバスチャン・カボットを伴い、再び船団を率いて探検に出発しました。彼らはヴァイキングの航路を参考に、北西へと航海を続けました。その結果、カナダ東南岸のケープ・ブレトン島に到達し、さらにニューファンドランド島やラブラドル半島を発見しました。これらの発見は、ヨーロッパによる北米大陸探検の重要な一歩となりました。

1498年、カボットは再び探検隊を組織し、グリーンランドの東西沿岸の調査航海を試みました。しかし、この航海中に船員の反乱が起こり、やむなく南下せざるを得なくなりました。カボットは、この南下中に命を落としたとされています。

功績

カボットの探検は、地理的な発見だけでなく、政治的な意味も持ち合わせていました。2度目の航海で、デラウェア湾とチェサピーク湾を発見したことは、イングランドがフロリダ以北の北米大陸の所有権を主張する根拠となりました。これにより、イギリスは後に北米に植民地を築き、アメリカ合衆国の基礎を築くことになります。カボットの探検は、後のイギリス帝国形成に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

後世への影響

ジョン・カボットの功績は、彼の死後も長く語り継がれています。アメリカ海軍のインディペンデンス級航空母艦の一隻である「カボット」は、彼の名にちなんで命名されました。これは、彼の探検が、後の世にも影響を与え続けている証拠と言えるでしょう。

カボットは、コロンブスのような華々しい成功は収められなかったかもしれませんが、北アメリカ大陸の発見と、イギリスによる北米植民地化への貢献は、歴史において非常に重要な役割を果たしました。彼の探検は、ヨーロッパ諸国が北米に目を向けるきっかけとなり、その後の世界史に大きな影響を与えました。

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