セバスチャン・カボット

セバスチャン・カボットの生涯と業績

セバスチャン・カボット（Sebastian Cabot）は、イタリア系イギリス人の航海者として、16世紀の重要な探検活動に名を刻んでいます。約1474年に生まれ、1557年に亡くなりました。彼は父のジョヴァンニ・カボットと共に、北アメリカ大陸の発見に寄与し、その業績は航海史に深く刻まれています。

早年期と背景

セバスチャンはヴェネツィアの航海者であるジョヴァンニ・カボットの息子として成長しました。1484年に父と共にイギリスに帰化し、イギリス国籍を取得しました。1497年には、アジア航路の開発を目指す船団に参加してブリストルから出航しました。残念ながら、航海の翌年に父が亡くなると、彼はその遺志を受け継ぎながら探検を続けました。

北アメリカ探検

1508年、セバスチャンは北アメリカの東海岸を探検しました。この探検の中で、後のハドソン湾及びハドソン海峡を発見し、南北をなぞるようにフロリダまで到達しました。しかし、父が享受していたヘンリー7世の庇護はその死後失われていました。息子であるセバスチャンも、後を継いだヘンリー8世が活動に対してあまり積極的でなかったため、イギリスでの活動を断念せざるを得ませんでした。

スペインでの活動

1513年、セバスチャンはイギリス王の使節としてスペインに赴き、そのまま移住しました。スペインでは、宮廷に仕え、主席水先案内人の地位を得ることになります。1526年から1527年にかけては南アメリカのラプラタ川流域を探検しましたが、成果を上げることができず、彼はカルロス1世の怒りを買い投獄されてしまいます。この時期、彼はアフリカへ追放されることとなります。

晩年と新たな探検

1533年に赦免されたセバスチャンはイギリスに戻り、「新しい土地への冒険商人会社」（Company of Merchant Adventurers to New Lands）の総支配人や製図業者の職に就きます。この会社は後のモスクワ会社やイギリス東インド会社の先駆けとなりました。彼は北極海を通じたロシア貿易航路探検隊や、北東航路探検隊を組織して、晩年を探検に費やしました。

サンクティ・スピリトゥとの関連

また、セバスチャン・カボットが建造した要塞「サンクティ・スピリトゥ」は、現在のアルゼンチンに位置し、初のヨーロッパの定住地として知られています。1527年に建設され、2年後に先住民によって破壊されましたが、彼の探検の一環として重要な役割を果たしました。

結論

セバスチャン・カボットは、その冒険的な精神と探検活動により、16世紀の航海史に名を刻みました。彼の業績は航海の歴史の中で鮮明な光を放ち、以後の探検家に多大な影響を与えることとなったのです。

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