ジョン・カートレット (第2代グランヴィル伯爵)

第2代グランヴィル伯爵ジョン・カートレットについて

ジョン・カートレット（1690年4月22日 - 1763年1月2日）は、イギリスの政治家であり、貴族でもありました。ホイッグ党に属し、第3代サンダーランド伯爵チャールズ・スペンサーの派閥に連なる彼は、ロバート・ウォルポール政権下で重要な役割を果たし、反ウォルポール派としての立場を維持しました。彼の政治的キャリアは、時代を反映した波乱に富んだものでした。特に、ウォルポール失脚後は一時的に首相に近い地位にまで上り詰めましたが、その後、ウォルポール派のヘンリー・ペラムとの勢力争いの中で失脚しました。

生い立ちと前半生

カートレットは、ベッドフォード州で初代カートレット男爵ジョージ・カートレットとその妻グレイスの間に生まれました。5歳で父を亡くし、アカデミックに優れた教育を受けることになります。ウェストミンスター・スクールを経てオックスフォード大学のクライスト・チャーチで学び、1711年に貴族院議員としてホイッグ党に入党しました。

特に注目されるのは、彼が1719年に大北方戦争に関連してスウェーデンに派遣された際の功績です。彼は講和の特使としてバルト海におけるイギリス臣民の補償と航行の自由を確保する結論を導きました。この成功は、彼の外交能力を示す重要な事例となりました。

ウォルポール内閣での活動

1721年から始まったウォルポール政権下では、カートレットは南部担当国務大臣として枢密顧問官にも就任します。彼は外交面での責任を果たし、ジョージ1世からも高い信任を受けていましたが、反ウォルポールの立場とみなされたために警戒されていました。しかし、外交上の失策を理由に1724年にアイルランド総督へと左遷されます。この時期、彼はアイルランド問題に厳しい態度で臨むことを余儀なくされましたが、効果は限定的でした。

政界での再起と影響

ウォルポールの退陣後、カートレットは1742年の初代ウィルミントン伯爵スペンサー・コンプトン内閣に北部担当国務大臣として再登板。しかし、国王ジョージ2世の影響力の下、ウォルポール派のペラム兄弟が政権に留まる結果になり、カートレットは孤立してしまいます。彼のハノーファー戦略は政府内部や議会から批判を受け、さらなる困難な状況に陥ることになりました。

1744年には第2代グランヴィル伯爵を継承し、国王からの信任は厚くとも、政治的な立場は厳しくなります。特に、議会の支持を得ることができず、グランヴィル内閣の設立を試みるもののそれが失敗に終わりました。その後も、彼は5代の内閣にわたって枢密院議長を務め、国政に影響を与え続ける存在でありました。

家族と晩年

カートレットは二度の結婚を経験しています。最初の妻フランセスとの間には複数の子供が生まれ、その中には後のグランヴィル伯爵も含まれています。二度目の妻ソフィアとの間にも子供が一人誕生しました。彼は1763年にバースで逝去し、72年という生涯を終えます。彼の死は、政治と家族の交錯を象徴する一つの節目となりました。

続く彼の名声は歴史の中で刻まれ、今なお影響を与えています。カートレットの生涯は、イギリスの政界における権力闘争や彼の個人的な成就が織りなす物語の一部です。

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