ジョン・カーペンターの要塞警察

ジョン・カーペンターの要塞警察（Assault on Precinct 13）

『ジョン・カーペンターの要塞警察』は、1976年に製作されたアメリカのアクション映画で、監督は著名なホラー映画の巨匠ジョン・カーペンターが務めました。この作品は、彼が1959年の西部劇『リオ・ブラボー』に感銘を受け、そのテーマや舞台設定を現代的なコンテクストに置き換える形でオマージュを捧げたものです。

映画の舞台は、アメリカの都市にある小さな警察署、第13分署です。この署は間もなく移転する予定でしたが、そこにある運命的な出来事が起こります。ストリートギャングによる凶悪な襲撃が始まり、何も知らずに訪れた署員たちは無防備な状態で命の危機に直面します。

映画のタイトルの由来

原題にある「Precinct 13」は、「第13管区」と訳されることが多いですが、実際には「Precinct 9, Division 13」として知られる9分署が舞台です。最初は「Anderson Alamo」というタイトルが予定されていましたが、配給時に「Siege」へ変更され、その後、最終的に現在のタイトルに決定されました。タイトルに含まれる「13」は不吉なイメージを与えるために意図的に用いられています。

あらすじ

物語は、アイスクリーム店舗で娘を奪われた男が、犯人のひとりを殺し警察署に逃げ込むところから始まります。しかし、この署は明日には移転するため、わずか数名の署員しか残されていません。そして、待ち受けるのは凶悪なストリートギャング「ストリートサンダー」です。彼らに包囲された署内は次第に緊迫感を増し、ギャングたちによる攻撃が始まるのです。

黒人囚人が何かの合図で急報しようとしますが、すぐに命を脅かされます。一方、護送中に発病した死刑囚や、新人の黒人警官、女性職員たちが協力し、抵抗を試みますが、周囲でパトロールする警官たちは異変に気づかぬまま通り過ぎていくという絶望的な場面も印象的です。

キャストとスタッフ

この作品には、幾人かの重要なキャラクターが登場します。新たな局面を迎えたストーリーの中で、それぞれの人物がどのように成長し、逆境に立ち向かうのかが見どころです。また、ジョン・カーペンターが監督だけでなく脚本も手掛けており、特に彼の音楽も映画に独特の緊張感を与えています。

映画は、日本では劇場で公開されることなく、テレビ放送やビデオリリースによって観客の支持を得ることとなります。1980年に行われた東京12チャンネルでの放送では「要塞警察/ウォリアーズ・夜の市街戦」というタイトルで紹介され、ビデオ版では「ジョン・カーペンターの要塞警察/ストリートギャングの大襲撃」という名前でリリースされました。評価も高く、Rotten Tomatoesでは95%の支持、Metacriticでは89点という高得点を記録しています。

このような背景を持つ『要塞警察』は、ただのアクション映画であるだけでなく、キャラクターたちの苦闘を通じて人間の強さや絆を描いた作品として、多くの映画ファンに愛され続けています。

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