ジョン・クロムウェル (俳優)

ジョン・クロムウェル (John Cromwell)

ジョン・クロムウェルは1887年12月23日にオハイオ州トレドで生まれ、1979年9月26日に亡くなるまで、アメリカ映画界に多大な影響を与えた監督・俳優です。彼のキャリアは多岐にわたり、舞台、映画、監督、そして俳優としての活動を通じて、映画産業の重要な時代に関与してきました。

略歴

クロムウェルの演技キャリアは1906年に始まり、1910年にはブロードウェイで『Baby Mine』に出演してデビューを果たしました。また、1912年には『若草物語』でジョン・ブルック役を演じることで、名前を広めました。彼はその後、舞台監督としての才能を発揮し、多数のブロードウェイ作品に携わりました。

1928年、ハリウッドではトーキーが始まったことを受け、クロムウェルはパラマウント映画と契約し、映画界に進出しました。彼は1929年にコメディ映画『ダミー The Dummy』に出演し、映画キャリアをスタートさせました。この年、クロムウェルはア・エドワード・サザーランドとともに映画『恋愛行進曲 Close Harmony』や『踊る人生 The Dance of Life』を共同監督し、さらに同年には『巨人 The Mighty』で初めて単独で監督を務めました。

ハリウッドでの成功

その後、1933年にRKOと契約したクロムウェルは、特にベティ・デイヴィスが主演した『痴人の愛 Of Human Bondage』で多大な成功を収めました。この映画は彼女を不動のスターに押し上げ、以降のキャリアに大きな影響を与えました。クロムウェルは1936年以降、デヴィッド・O・セルズニックのプロダクションや他の作品にも関わり、ハリウッドの黄金期に数多くの作品を手掛けました。

特に1944年に公開された『君去りし後 Since You Went Away』は、第二次世界大戦の最中に製作された家庭ドラマとして大ヒットしました。この成功はクロムウェルの地位を確立させ、1944年から1946年には全米監督協会の会長も務めました。

ハリウッド・ブラックリスト

しかし、1951年から1958年にかけてハリウッド・ブラックリストに名前が載ったことで、彼の映画キャリアは制約を受けることになります。7年の沈黙の後、1958年に『The Goddess』の監督を再開しましたが、1961年の『A Matter of Morals』が彼の最後の監督作品となり、その後マイクを取ることはありませんでした。

1952年には舞台『Point of No Return』でヘンリー・フォンダの父親役を演じ、トニー賞を受賞するなど、舞台でも高く評価されました。また、1977年と1978年にはロバート・アルトマンの映画に妻とともに出演しています。クロムウェルは映画俳優としては約10本の映画に出演しましたが、監督としては50本以上の作品に関わっております。

私生活

私生活においては、クロムウェルは生涯で4度結婚し、映画俳優のジェームズ・クロムウェルは彼の息子です。1979年に肺血栓塞栓症によって彼はこの世を去りましたが、彼の作品や業績は今でも多くの映画ファンに語り継がれています。

主な監督作品

• - 踊る人生 The Dance of Life (1929)
• - 命を賭ける男 Street of Chance (1930)
• - テキサス無宿 The Texan (1930)
• - トム・ソーヤの冒険 Tom Sawyer (1930)
• - 赤新聞 Scandal Sheet (1931)
• - 砂上の摩天楼 Sweepings (1933)
• - Double Harness (1933)
• - Ann Vickers (1933)
• - 野いばら(奇跡の処女) Spitfire (1934)
• - 痴人の愛 Of Human Bondage (1934)
• - 泉 The Fountain (1934)
• - うるさき人々 Village Tale (1935)
• - 雁 Jalna (1935)
• - 小公子 Little Lord Fauntleroy (1936)
• - 膝にバンジョー Banjo on My Knee (1936)
• - ゼンダ城の虜 The Prisoner of Zenda(1937)
• - カスバの恋 Algiers (1938)
• - 貴方なしでは Made for Each Other (1939)
• - エイブ・リンカーン Abe Lincoln in Illinois (1940)
• - 激闘 Son of Fury: The Story of Benjamin Blake (1942)
• - 君去りし後 Since You Went Away (1944)
• - 青春の宿 The Enchanted Cottage (1945)
• - アンナとシャム王 Anna and the King of Siam (1946)
• - 大いなる別れ Dead Reckoning (1947)
• - 女囚の掟 Caged (1950)
• - The Racket (1951)

ジョン・クロムウェルは、彼の残した作品を通じて今でも多くの映画ファンに愛され続けています。彼の卓越した才能と影響力は、現代の映画界にも影響を与えています。

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