全米監督協会

全米監督協会（DGA）の概要

全米監督協会（DGA）は、アメリカ合衆国において、映画やテレビ産業で活動する監督やテレビのディレクターたちのための労働組合です。この組合は、1936年に映画監督組合（Screen Directors Guild）として設立され、1960年に現名称に改称されました。DGAの本部は、ハリウッドのサンセット大通りにあり、支部はニューヨークとシカゴにも存在します。2007年時点での会員数は13,459人とされています。

DGAの活動内容

DGAは、映画やテレビ業界に従事する多様な職種を対象としない職業別の組合として、特に映画やテレビの監督に特化しています。会員には、映画監督、テレビのディレクター、アシスタントディレクター、ステージマネージャー、ユニットマネージャー、技術コーディネーター、さらにはテレビコマーシャル業界で活躍するディレクターなどが含まれています。

さらに、DGAは新たな才能を育成するためのトレーニングプログラムも提供しており、優れた才能を持つ新人は、さまざまな製作現場での経験を積む機会を得られます。

監督の権利を守る

DGAと映画製作会社との間で締結される労使間協定には、DGA会員の労働賃金や労働条件が詳細に規定されています。この協定の下では、映画制作に関わる全ての監督は、DGAの会員であることが求められ、DGAと締結していない映画会社との業務は認められていません。これにより、DGA非会員の監督は、DGAと協定を結んだ大手スタジオでの仕事ができないため、優位性が確保されています。

DGAは、監督が映画製作において持つ権利を守るため、さまざまな活動を行っています。これには、監督の役割の明確化や、監督名のクレジットに関する規定、そして「一つの映画に一人の監督」といった原則の保護が含まれます。これらの規定は、映画の内容や編集に対して、プロデューサーや俳優が介入することを防ぎ、監督の権利を確保するために制定されています。

また、監督名は必ず映画のクレジットに記載されるべきであり、このことは作品評価における責任が監督にあることを示します。クレジットはエンディングで表示されるべきで、オープニングでの表示が省略された場合でも、必ずエンディングの最初に表示されなければなりません。これにより、映画が本来の監督によって制作されたものであることを明確にしています。

歴代会長と日本人組合員

歴代DGAの会長には、キング・ヴィダー（1936年–1938年）やフランク・キャプラ（1939年–1941年）、ジョージ・スティーヴンス（1941年–1943年）などの著名な監督たちが名を連ねています。最近の会長には、トーマス・シュラーミーが2017年から就任しています。

また、日本人としては、細野ひで晃、北村龍平、落合正幸、清水崇、中田秀夫、紀里谷和明、谷垣健治など、映画監督がDGAの会員として在籍しており、国際的な視点を持った活動が行われています。

関連情報

DGAに関する関連情報としては、全米監督協会賞やアラン・スミシーが挙げられます。DGAは、映画制作における監督の権利と職業倫理を守り続けており、映画やテレビ産業の発展に貢献しています。

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