ジョン・コタラーワラ

サー・ジョン・ライオネル・コタラーワラ

サー・ジョン・ライオネル・コタラーワラは、1895年4月4日にスリランカで生まれ、1980年10月2日に亡くなった政治家であり、スリランカの第3代首相を務めました。彼の人生は、裕福な家庭での出発から、数々の政治的・社会的な挑戦を経て、国のリーダーとしての地位を確立するという波乱万丈なものでした。

生い立ちと教育

コタラーワラは、元警察官の父ジョン・コタラーワラ・シニアと、地主の娘アリス・エリザベスの間に生まれました。裕福な家庭で育つものの、11歳の時に父が自殺するという悲劇に見舞われ、彼の少年時代は大きく変わります。母親は仏教からキリスト教に改宗し、家族の財産を管理しながら、息子の教育に努めました。コタラーワラはロイヤル・カレッジ・コロンボにて多彩なスポーツに親しみ、その才能を発揮しましたが、政治的活動に関与した結果、退学を余儀なくされました。以後、彼はヨーロッパで学び、帰国後は家業を手伝い、農業関連の事業に従事しました。

軍歴と政治家となるまで

コタラーワラは1922年にセイロン軽歩兵隊に入隊し、将校としてキャリアを積みました。第二次世界大戦中には、英軍と協力し、1945年に退役しました。この経験を背景に、彼は軍との強い結びつきを持ち続けました。

政治の世界に足を踏み入れたのは、1915年頃のことです。彼は、南アジアの政治家としての道を歩み始め、1931年にはセイロン議会議員として当選しました。その後、公共事業大臣としても要職を占め、独立後には運輸・公共事業大臣に就任しました。

首相としての業績

1948年、セイロンが独立を果たすと、コタラーワラは特に重要な役割を果たしました。彼は交通や公共事業の大臣として、国内のインフラ整備に取り組み、ラクサパナ・ダムやコロンボ港などの大型プロジェクトを進めました。また、1952年に首相D. S. セーナーナーヤカが急死した際、彼は次の首相に選ばれると思われていましたが、ダッドリー・セーナーナーヤカがその職を継ぐ結果となり、コタラーワラは一時的に失望を味わいました。「反共主義者」としての姿勢を重視し、左翼運動に対する強硬策を推進しました。

外交と経済政策

彼が首相となると、国内の経済問題に加え、外交問題にも対処しなければなりませんでした。1955年のアジア・アフリカ会議への参加は、国内外における彼のイメージを大きく変えることとなりました。しかし、そこでの知識不足と発言が批判を招き、「バンドンのロバ」といったあだ名が付けられる一因となりました。

1956年の総選挙では政権を明け渡す結果となりますが、その後も政界に身を置き続けました。政権に戻ることはあったものの、最終的には政界からの引退を決意します。この時期の彼は、経済の低迷と民族問題に悩まされていました。

晩年と遺産

政治生命の末期には、多くの功績が後の世で評価されることとなり、教育機関や記念碑が設立されました。彼の自宅が後に士官学校の用地として提供され、その名は軍事教育において長生きすることとなります。1980年、コロンボで脳卒中を起こし、国葬では名誉大将としての栄誉を受けました。彼の肖像は数多くの場所に設置され、スリランカの歴史に名を刻んでいます。彼の生涯は、苦難を乗り越え、国家に尽力した一人のリーダーの物語として、今も多くの人々に語り継がれています。

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