ジョン・テューダー

ジョン・トマス・テューダー：1985年の輝きと惜敗のワールドシリーズ

ジョン・トマス・テューダーは、1954年2月2日、アメリカ合衆国ニューヨーク州スケネクタディ生まれの元プロ[[野球選手]]（投手）です。メッツからドラフト指名を受けながらも契約せず、1976年、レッドソックスに入団。1979年8月16日、ホワイトソックス戦でメジャーデビューを果たします。

初期の頃は安定した成績を残しつつも、大ブレイクを果たしたのは1985年でした。カージナルスに移籍したこの年、5月までは1勝7敗と苦戦しますが、そこから劇的な活躍を見せます。9連勝、そして11連勝と勝利を重ね、特に9月は圧巻の投球を披露。9月1日、6日と連続完封勝利を挙げ、11日にはメッツとの地区優勝を争う大一番でグッデンと投げ合い、延長10回に1点を奪い3試合連続完封勝利。9月26日にも完封勝利を挙げ、月間4完封という驚異的な記録を達成します。

6月以降は20勝1敗、防御率1.16という驚異的な成績でシーズンを終え、最終成績は21勝8敗、防御率1.93、WHIP0.94という素晴らしい数字でした。そして、メジャートップの10完封は、1975年のジム・パーマー以来10年ぶりであり、2016年現在まで破られていない偉業です。現代野球において、投手の分業制が進み完投自体が少なくなったことを考えると、この記録の価値は非常に高いと言えます。この年の活躍は、チームの地区優勝に大きく貢献しました。

リーグチャンピオンシップシリーズでは、ロサンゼルス・ドジャースと対戦。第1、2戦を落としたものの、第4戦で勝利[[投手]]となり、シリーズをタイに戻します。チームはその後連勝しリーグ優勝を果たしました。続くワールドシリーズでは、カージナルスはロイヤルズと対戦。テューダーは第1戦で勝利[[投手]]となり、第4戦では5安打完封勝利を収め、王手をかけます。しかし、第6戦で起こった「世紀の誤審」と呼ばれる出来事が流れを変えました。リードしたまま迎えた9回、審判の判定ミスによりカージナルスは逆転負け。続く第7戦、テューダーは3回途中降板し、チームは敗北、ワールドシリーズ制覇を逃しました。この年の活躍により、サイ・ヤング賞投票ではグッデンに次ぐ2位となりました。

その後もカージナルスで活躍を続け、1986年は開幕投手を務め13勝7敗、1987年には故障により登板数が少なかったもののリーグ優勝に貢献。1988年にはドジャースに移籍し、ワールドシリーズ制覇を果たしました。しかし、1989年は肩・肘の故障に苦しみ、わずか6試合の登板に終わります。

1990年、古巣カージナルスに復帰すると、4月に4勝0敗、防御率0.96という好成績で復活。シーズン通算でも12勝4敗、防御率2.40と素晴らしい成績を残し、カムバック賞を受賞。しかし、この年をもって現役を引退しました。

ジョン・トマス・テューダーは、1985年の驚異的な活躍、そして惜しくも優勝を逃したワールドシリーズ出場など、数々のドラマチックな場面を残した名投手として、野球史に名を刻んでいます。彼の記録は、現代野球においてもなお語り継がれるべきものと言えるでしょう。

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