ジョン・デフォレスト

ジョン・キンネ・ホイド・デフォレスト（John Kinne Hoyde Deforest、1844年6月25日 - 1911年5月8日）は、明治時代の日本において、アメリカン・ボードの宣教師として活動した人物です。彼は、日本の近代化の黎明期に、キリスト教の伝道と教育を通して、社会の発展に大きく貢献しました。J・H・デフォレストとも表記されます。

1844年、デフォレストはアメリカ合衆国コネチカット州ウェストグルフで生まれました。彼は、1868年に名門イェール大学の神学部に入学し、1871年に卒業。その後、ニューヘブンで牧師として活動しました。牧師としての経験は、彼の人間形成と、後の日本での宣教活動に大きな影響を与えたと考えられます。

1874年、デフォレストはアメリカン・ボードの宣教師として、同志である新島襄と共に日本へと渡りました。彼はまず大阪を拠点として伝道活動を開始し、キリスト教の普及に尽力しました。当時の日本は、明治維新を経て西洋文化が流入し始めた時期であり、キリスト教もまた、新しい思想の一つとして受け入れられつつありました。デフォレストは、人々に寄り添いながら、キリスト教の教えを丁寧に伝えました。

その後、デフォレストは活動の拠点を仙台へと移し、教育事業にも力を注ぎました。1887年には、東華学校（現在の宮城県仙台第一高等学校及び宮城県仙台二華中学校・高等学校の源流）の創立に深く関わりました。東華学校は、富田鐵之助（のちに日銀総裁）、松平正直（当時の宮城県知事）らによって設立された宮城英学校を前身とし、地域社会の発展を担う人材育成を目指しました。デフォレストは、キリスト教の精神に基づいた教育を通して、学生たちの人格形成と社会貢献を促しました。

また、デフォレストは、1887年に仙台東二番丁教会の牧師にも就任しました。彼は、教会の信徒たちを導き、地域社会に貢献する活動を積極的に展開しました。さらに、会津地方への伝道にも尽力し、キリスト教の信仰を広めるために奔走しました。彼の活動は、東北地方におけるキリスト教の根付きに大きく貢献したと言えるでしょう。

1911年、ジョン・キンネ・ホイド・デフォレストは、仙台でその生涯を閉じました。彼は、明治時代の日本において、キリスト教の伝道、教育、社会福祉など、多岐にわたる分野で貢献し、日本の近代化に大きく寄与しました。彼の功績は、今もなお、多くの人々に語り継がれています。

参考文献
『キリスト教人名辞典』
高橋昌郎『明治のキリスト教』教文館、2003年

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