ジョン・デンスモア

ジョン・ポール・デンズモア：ザ・ドアーズのドラマーを超えて

ジョン・ポール・デンズモア（1944年12月1日 - ）は、アメリカ合衆国を代表するロックバンド、ザ・ドアーズのドラマーとして世界的に知られるミュージシャンです。メイン州生まれの彼は、サンタモニカカレッジとカリフォルニア州立大学ノースリッジ校で学び、1965年、レイ・マンザレクの誘いによってザ・ドアーズに加入しました。

ザ・ドアーズでの活動は、ジム・モリソンのカリスマ性と詩的な歌詞、マンザレクのオルガン、ロビー・クリーガーのギター、そしてデンズモアの骨太なドラムという、独特の組み合わせによって支えられました。バンドは瞬く間に人気を博し、数々の名曲を世に送り出しました。しかし、モリソンの奔放な行動や、メンバー間の対立なども相まって、バンドは1973年に解散します。

解散後、デンズモアはクリーガーと共にバッツ・バンドを結成し、アルバムを発表しました。また、1978年にはマンザレク、クリーガーと共にモリソンの詩を朗読したアルバムにも参加。ドアーズの活動に関しても、3人で「ドアーズ」として活動を継続し、バンド時代には叶わなかった来日公演も実現させています。

その後、デンズモアは俳優としての活動も開始。1991年の映画『ドアーズ』では、他のメンバーと協力し、自らもカメオ出演を果たしました。一方、同映画で監督と対立したマンザレクとは距離を置くことになります。

1990年には、ザ・ドアーズ時代の内面や苦悩を赤裸々に綴った自伝『Riders on the Storm』（邦題『ドアーズ』）を出版。この自伝では、モリソンの奇行に対するメンバー間の意見の相違や、モリソンを擁護するマンザレクと、彼に戸惑うデンズモアとクリーガーの対立が克明に描かれています。

この対立は、ザ・ドアーズ解散後も尾を引きます。2002年、マンザレクとクリーガーが「21世紀のドアーズ」として活動を始めた際、デンズモアは参加を拒否。2003年には、バンド名の使用差し止め訴訟を起こし、後にモリソンの遺族も加わりました。2005年、訴訟はデンズモア側の勝訴となり、バンド名は『ライダーズ・オン・ザ・ストーム』、後に『マンザレク・クリーガー』と改名されました。デンズモアは彼らのバンドへの参加要請にも応じませんでした。

近年もデンズモアは作家、俳優として精力的に活動を続けています。また、ドアーズ関連の活動にも継続的に携わっており、バンドの40周年記念DVDの制作に協力したり、クリーガーと共に演奏活動を行ったりしています。ザ・ドアーズのドラマーという枠を超え、多方面で才能を発揮し続ける、デンズモアの今後の活動にも注目が集まります。

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