ロビー・クリーガー

ロビー・クリーガー：ドアーズの魂を奏でるギタリスト

ロビー・クリーガー (本名: ロバート・アラン・クリーガー、1946年1月8日-) は、カリフォルニア州ロサンゼルス出身のギタリストであり、伝説的ロックバンド、ドアーズの主要メンバーとして知られています。メンロー・スクール時代からギターを始め、独学でフラメンコギターのテクニックを習得。その後、ブルースやジャズにも傾倒し、独自のフィンガー・ピッキング奏法を確立しました。ジャズの影響を受けた浮遊感のあるフレーズと、フラメンコギター由来のテクニックを融合させた彼の演奏スタイルは、ドアーズのサウンドに独特の深みと色彩を与えました。

クリーガーはドアーズにおいて、ギタリストとしてだけでなく、優れたソングライターとしても重要な役割を果たしました。ドアーズのシングル13枚中、A面8曲を彼が作曲したという事実は、彼の創造性の高さを物語っています。初期のドアーズは、レイ・マンザレクとジム・モリソンの暗く内省的な音楽性によって、大衆的な人気を得るには至っていませんでした。しかし、クリーガーが中心となって制作された「ハートに火をつけて」の大ヒットによって、バンドの知名度は飛躍的に向上しました。

「ラブ・ミー・トゥー・タイムス」、「タッチ・ミー」、「あの娘に狂って」など、彼の作曲による多くの楽曲はポップでキャッチーなメロディーが特徴で、ジム・モリソンのカリスマ性溢れるボーカルを最大限に引き立てました。これらのヒット曲は、ドアーズの音楽性を多様化させ、幅広い層のファンを獲得する上で貢献しました。彼のソングライティングは、ドアーズの音楽的成功に欠かせない要素だったと言えるでしょう。

1973年のドアーズ解散後も、クリーガーは精力的に音楽活動を続けています。ドアーズのドラマー、ジョン・デンスモアと共に結成したバッツ・バンドでの活動や、7枚に及ぶソロアルバムの発表、さらにはブルー・オイスター・カルトへの参加など、ギタリストとしての評価は解散後もますます高まりました。息子のウェイロン・クリーガーと共に結成したロビー・クリーガー・バンドでも活躍し、親子で音楽を奏でています。

2002年には、レイ・マンザレクと共にDoors of the 21st Centuryを結成、イアン・アシュベリーをボーカル、スチュワート・コープランドをドラマーに迎えました。しかし、ジョン・デンスモアからの訴訟によりバンド名は変更を余儀なくされ、最終的に「マンザレク・クリーガー」と名乗るようになりました。その後もメンバーチェンジを繰り返しながら活動は続き、レイ・マンザレクの死去まで続きました。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」においても、2003年には91位、2011年には76位にランクインするなど、その功績は広く認められています。ロビー・クリーガーは、ドアーズの音楽に独自の色彩を与え、数々のヒット曲を世に送り出した、紛れもなくロック史に名を刻む偉大なギタリストであり、ソングライターです。彼の音楽は、今もなお多くの音楽ファンを魅了し続けています。

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