ジョン・バリントン (初代バリントン子爵)

初代バリントン子爵ジョン・バリントンの生涯

初代バリントン子爵、ジョン・バリントン（本名ジョン・シュート）は1678年にイギリスで誕生し、1734年に亡くなるまでの間、貴族や政治家としての顔を持ちました。彼は1715年から庶民院の議員を務めていましたが、ハーブルク宝くじ事件に関与したことで1723年に庶民院から追放されるという波乱の人生を歩みました。

初期の人生と教育

ジョン・バリントンは、ベンジャミン・シュートとエリザベス・カリルの三男として生まれ、穏やかな家庭環境で育ちました。1694年から1698年までユトレヒト大学で学び、さらに1695年にはインナー・テンプルに入学して法律を学びます。これにより、彼はその後の政治活動の基盤を築きました。

地位の継承と改姓

1710年、バリントンは父方の親族からベケット・ホールやバークシャーの領地を受け継ぎ、さらに1711年には商人フランシス・バリントンからトフスを譲り受けます。この際に、彼は姓をシュートからバリントンに改め、同年にはバリントン家の紋章を使用する許可も得ました。

政治活動と影響

バリントンは非国教徒として知られ、1715年の総選挙ではベリック＝アポン＝ツイード選挙区から当選。議会では便宜的国教徒禁止法の廃止に賛同し、1722年の選挙でも議席を確保しました。しかし、その後のハーブルク宝くじ事件により彼の政治キャリアは大きく揺らぎます。1720年、ジョージ1世がハーブルク会社に宝くじの興行許可を与えた際、バリントンはその勅許の取得を試みましたが失敗。それが原因で、庶民院からの追放となります。

ハーブルク宝くじ事件

この事件はバリントンの名声を大きく損なうものでした。1722年、ハーブルク会社が違法に宝くじ売り場の場所を公表し、庶民院が調査を開始しました。結果、バリントンは責任を問われ、1723年に膨大な議論を経て追放されました。この事件は彼の政治的キャリアに終止符を打つものであり、彼の影響力は急速に失われていきました。

晩年と著作

バリントンは政治活動から遠ざかるものの、1725年に『Miscellanea Sacra or a New Method of considering so much of the History of the Apostles as is contained in Scripture』という著作を出版。1727年の選挙で再び立候補したものの落選し、1734年には再度出馬するも4票差で敗北しました。彼の死後、長男ウィリアム・ワイルドマン・シュートが爵位を継承しました。

家族

1713年、ジョン・バリントンはアン・デインズと結婚し、5人の息子と3人の娘を儲けました。長男は第2代バリントン子爵となるウィリアム・ワイルドマン・シュートであり、他の子供たちもそれぞれに人生を歩みました。特に、サミュエルやデインズは法律家や軍人として活動しましたが、家族の中で生涯未婚の者も多くいました。

ジョン・バリントンという名前は、イギリスの貴族社会での彼の地位や政治活動の重要性と同時に、その華やかな生涯に伴った困難を反映した存在であると言えるでしょう。

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