ジョン・ホランド (第2代エクセター公)

ジョン・ホランド：動乱の時代を生きた貴族、軍司令官

第2代エクセター公ジョン・ホランド（1395年 - 1447年）は、中世イングランドの貴族であり、百年戦争における軍司令官としてその名を歴史に刻みました。彼は、リチャード2世の異父兄である初代エクセター公ジョン・ホランドとエリザベス・オブ・ランカスターの次男として生まれ、母方の祖父には初代ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントがいます。また、ヘンリー4世は叔父、ヘンリー5世は従兄にあたるという、王室と深いつながりを持つ人物でした。

幼少期の苦難と名誉回復

ジョンがわずか4歳の時、父と従兄であるケント伯トマス・ホランドがヘンリー4世暗殺の陰謀に加担したとして処刑されるという悲劇に見舞われます。これにより、ジョンは「謀反人の子供」として扱われることとなりました。しかし、1413年にヘンリー5世が即位すると、国内の対立を解消する方針が打ち出され、反対勢力だった貴族たちの名誉と領地が回復されていきます。ジョンもその恩恵を受け、1415年のフランス遠征に従軍する機会を得て、アジャンクールの戦いでその勇名を轟かせました。

軍司令官としての活躍と捕虜生活

1416年、ジョンは父がかつて保持していたハンティンドン伯位を回復し、ガーター騎士に叙任されます。その後は、イングランドの対仏遠征軍の一員として様々な作戦に参加しますが、1421年のボージェの戦いでフランス軍の捕虜となり、1425年に解放されるまでの数年間を虜囚として過ごすこととなりました。

海軍総司令官、そしてアキテーヌ知事へ

1435年、ジョンはイングランド、アイルランド、アキテーヌの全イングランド海軍の総司令官に任命されます。1439年には、国王の名代としてアキテーヌに赴任し、後に正式にアキテーヌの知事となりました。また、同年にエクセター公位も回復し、駐仏イングランド軍においてヨーク公リチャードに次ぐ地位を与えられました。

1447年、ジョン・ホランドは52歳でその生涯を閉じ、公位は息子のヘンリーが継承しました。

家族構成

ジョンは生涯で3度の結婚を経験しました。

1427年3月6日、第5代スタッフォード伯エドムンド・スタッフォードの娘であり、第5代マーチ伯エドマンド・モーティマーの未亡人であったアンと結婚。彼女との間に2人の子供をもうけました。
ヘンリー（1430年 - 1475年） - 第3代エクセター公
アン（? - 1486年12月） - ジョン・ネヴィル卿、ネヴィル・ドゥ・レビィ男爵ジョン・ネヴィル、第9代ダグラス伯ジェームズ・ダグラスと結婚。
1433年1月にポルトガル王ジョアン1世の庶子ベアトリスと再婚しましたが、1439年に死別。
* 第3代ソールズベリー伯ジョン・モンタキュートの娘アンと再々婚しましたが、いずれの結婚でも子供は生まれませんでした。

ジョン・ホランドは、激動の時代を生き抜き、軍司令官、貴族としてイングランドの歴史に名を刻んだ人物です。彼の生涯は、波乱に満ちた中世イングランドの歴史を垣間見せてくれます。

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