ヨーク公

ヨーク公について

ヨーク公（Duke of York）は、イギリスの王族に与えられる公爵位で、歴史的には特に重要な役割を果たしてきました。この称号は1384年に創設され、イングランド北部に位置する都市ヨークに由来しています。この歴史深い称号は、国王または女王の第二子の男子が存命の場合に授与されることが定められています。

称号の沿革

この公爵位の中で特に注目されるのは、エドワード4世がその名を冠する王朝を興した点です。それ以降、ヨーク公の子孫による爵位の世襲は続いていません。これは、国王になる前に男子を残さずに亡くなるか、王位を受け継ぐために先に段階を踏む必要があったためです。例えば、エドワード7世の次男ジョージは、兄の死により王太子となり、ヨーク公位は王冠の一部として統合されました。

ジョージ5世の次男アルバートは、これまでの300年で唯一、父親と同じ爵位を得たヨーク公の一人ですが、この爵位は世襲によるものではなく、父の即位後に新たに授与されたものでした。

現在のヨーク公

現在のヨーク公はアンドルー王子で、女王エリザベス2世の次男です。彼の公爵位には、インヴァネス伯爵やキラニー男爵などの従属爵位が含まれています。しかし、アンドルー王子には男子がいないため、彼の代でこの公爵位が断絶する可能性が高いと言われています。

歴代ヨーク公の一覧

1. 第1期（1384年）: 初代エドマンド・オブ・ラングリー（1341年 - 1402年）
2. 第2期（1474年）: 初代リチャード・オブ・シュルーズベリー（1473年 - 1483年）
3. 第3期（1494年）: 初代ヘンリー・テューダー（1491年 - 1547年、1509年即位）
4. 第4期（1605年）: 初代チャールズ・ステュアート（1600年 - 1649年、1625年即位）
5. 第5期（1644年）: 初代ジェームズ・ステュアート（1633年 - 1701年、1685年即位）
6. 第6期（1892年）: 初代ジョージ（1865年 - 1936年、1910年即位）
7. 第7期（1920年）: 初代アルバート（1895年 - 1952年、1936年即位）
8. 第8期（1986年）: 初代アンドルー（1960年 - 現在）

関係する項目

この公爵位は、イギリス王族の歴史を語る上で欠かせないものであり、他の関連する爵位や役職とともに、イギリスの貴族制度を形成しています。例えば、ヘンリー・ベネディクト・ステュアートもヨーク公の名を持っており、彼は1725年に叙爵されました。また、ヨークという名はアメリカのニューヨーク市の名の由来にもなっています。

このように、ヨーク公の称号は王族の中でも特に重要な地位を占めるものであり、その歴史とともにイギリスの王室の物語が展開されているのです。

もう一度検索