ジョン・マグフリ

ジョン・ポンベ・ジョセフ・マグフリ：タンザニアの第5代大統領

ジョン・ポンベ・ジョセフ・マグフリ（John Pombe Joseph Magufuli, 1959年10月29日 - 2021年3月17日）は、タンザニア連合共和国の政治家であり、同国の第5代大統領を務めました。

政治家としてのキャリア

1995年に国会議員に初当選して以来、マグフリは建設副大臣、建設大臣、土地住宅集落大臣、畜産漁業開発大臣など、数々の要職を歴任しました。特に建設大臣としては、その手腕を発揮し、インフラ整備に貢献しました。2015年には、CCM（Chama Cha Mapinduzi, タンザニア革命党）の候補者として大統領選挙に出馬し、見事当選を果たしました。

教育

マグフリは、初等教育から高等教育まで、タンザニア国内で学びました。ムクワワ教育大学で教員免許を取得後、ダルエスサラーム大学で理学の学位を取得。さらに、イギリスのサルフォード大学との連携で化学の修士号、そしてダルエスサラーム大学で化学の博士号を取得しています。その学歴からも、マグフリの知性と努力がうかがえます。

大統領としての功績と課題

2015年11月5日に大統領に就任して以降、マグフリは緊縮財政と汚職撲滅に尽力しました。独立記念日の式典を中止して清掃活動を実施したり、議会の夕食会予算を削減して病院のベッド増設費用に充当するなど、徹底したコスト削減策を実行。海外への公式訪問を中止し、公務員の遅刻を罰するなど、その政策は時に強引とも評されました。

2015年大統領選挙

CCM大統領予備選挙で有力候補を破り、大統領選に臨んだマグフリは、2015年10月25日の本選挙で58%の得票率を得て当選。サミア・スルフ・ハッサンを副大統領に指名し、新たな政権を発足させました。

2期目

2020年の大統領選挙でも再選を果たしましたが、その選挙結果には不正があったとの批判も上がりました。2期目では、中国からの借款契約に対する批判的な姿勢や、新型コロナウイルス感染症に対する独自の政策が注目を集めました。

新型コロナウイルスに関しては、当初、祈りによってタンザニアは守られていると主張し、事実上の根絶を宣言。しかし、2021年に入り感染者が急増すると、マスク着用を呼びかけるなど、方針を転換しました。

急逝

2021年2月27日以降、公の場に姿を見せなくなり、健康不安説が浮上。同年3月17日、ダルエスサラームにて心疾患のため61歳で死去しました。突然の死は、タンザニア国内外に衝撃を与えました。

人物像

「Tingatinga（ブルドーザー）」というニックネームで呼ばれたマグフリは、その強引な手法と、汚職撲滅への強い意志で知られていました。一方で、同性愛に対しては極めて批判的な立場を取っていました。小学校教師であるJaneth Magufuliと結婚し、3人の子供をもうけました。

マグフリの功績と課題は、タンザニアの歴史に深く刻まれています。

もう一度検索