ジョン・マナーズ (第3代ラトランド公爵)

第3代ラトランド公爵ジョン・マナーズの生涯

ジョン・マナーズ（3rd Duke of Rutland）は、1696年10月21日に誕生し、1779年5月29日に亡くなったイギリスの貴族です。彼は第2代ラトランド公爵ジョン・マナーズとキャサリン・ラッセルの間に生まれました。若いころからその才能を示し、1719年から1721年までラトランド選挙区の庶民院議員を務めました。

公爵としての彼のキャリアは多岐にわたります。1722年にガーター勲章を授与され、同年7月には枢密顧問官に任命されました。さらに、1721年から亡くなるまでレスターシャーの統監を、また1711年から1721年までグランビー侯爵の儀礼称号を持つなど、公職での活動を続けました。精神的な支えとして1739年には設立された捨子養育院の初代総裁の一人にも就任し、彼の影響力はますます増していきました。

公爵はまた、王室家政長官や主馬頭などの重要な役職も歴任し、数多くの責任を担いました。米国バーモント州のラトランドは、彼にちなんで名付けられたことも特筆に値します。

芸術収集への情熱

第3代ラトランド公爵は1742年から美術品の収集を開始し、その後の20年間にわたりロンドンの美術品オークションを通じて多くの絵画を手に入れました。彼は1721年に父から家族コレクションを受け継ぎ、その後小型絵画の購入に重きを置きました。彼が特に好んだのは、大型の作品ではなくコンパクトな絵画でした。ラファエロ・サンティやティツィアーノ・ヴェチェッリオなどの著名な画家による小さな作品を多く手に入れ、芸術的な目利きとしても名を馳せました。

彼は美術品におおよそ3,210ポンドを投資しましたが、同時期に建設した自身のロンドンのタウンハウスには約4,432ポンドを費やしています。このことからも、彼の収集活動は大きな価値を持っていたことが窺えます。しかし、1758年から1759年には200点の絵画を売却する決断を下しました。

家族と私生活

公爵は1717年8月27日に第2代レクシントン男爵ロバート・サットンの娘ブリジットと結婚し、2人の間には5男6女が誕生しました。しかし、その多くは幼少期に夭折してしまいました。彼の子供たちの中で唯一長生きしたのは、陸軍で活躍したジョン、ロバート、そしてジョージの兄弟たちです。公爵は愛人であるエリザベス・ドレイクとの間にも庶子をもうけ、彼らにはロシリア・ドレイクとエドワード・マナーズがいました。

最後に、1779年に亡くなった際、長男が既に他界していたため、彼の孫であるチャールズが公爵の爵位を引き継ぎました。ジョン・マナーズの一生は、イギリス貴族の典型的な公私を象徴するものであり、芸術や政治における影響力を長きにわたり持ち続けたことが評価されています。

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