ジョン・ミドルトン・マリー

ジョン・ミドルトン・マリー（John Middleton Murry）

ジョン・ミドルトン・マリーは、1889年8月6日に生まれ、1957年3月12日に亡くなったイギリスの作家です。彼は文学界において多彩な活動を展開し、そのドキュメンタリー的なアプローチや独自の文体スタイルで知られています。特に彼の妻であったキャサリン・マンスフィールドとの関係は、彼の創作に大きな影響を与えました。

略歴

マリーは1913年に文芸雑誌『ザ・ブルー・レビュー』を創刊しました。この雑誌は初号から第三号まで刊行され、キャサリン・マンスフィールドの短編作品が各号に掲載されました。彼はマンスフィールドの二度目の夫として愛を育み、1918年に結婚しました。この結婚生活を通じて、彼は文学に対する彼女の影響を受けながら、自身の作品を発展させていきました。

また、マリーは生涯において四度結婚し、二度目の妻であるヴィオレ・ル・メスターとの間に男の子をもうけました。この子どもは後に作家となり、コリン・マリーやリチャード・カウパーの名義で活動しました。これからも、マリーの家族にまつわる物語は、その文学的探求の中で重要な位置を占めています。

主要作品

マリーの著作としては、以下のような著名な作品があります：

• - The Problems of Style (1922)：彼自身の文体に関する考察が詰まった作品。
• - Keats and Shakespeare (1925)：この著書では、詩人への深い理解と熱意を示しています。
• - Journals (1927)：彼の内面的な思索や日常の出来事が記録された日記的な作品です。
• - The Letters of Katherine Mansfield (1928)：彼が編集したもので、マンスフィールドの手紙を集めています。
• - The Story of D. H. Lawrence (1931)：著名な作家D. H. ローレンスについての考察を提供しています。
• - Between Two Worlds (1935)：彼自身の自伝的要素を持つ一冊です。

翻訳作品

マリーの作品は日本語にも翻訳されており、その中には以下のものがあります：

• - 『スタイルの中心問題』植田虎雄訳（研究社、1934年）。
• - 『ドストイェフスキイ 作品と生涯』西村孝次訳（文学界社、1936年）。後に筑摩書房からも刊行。
• - 『近代文学の意味 文学論集』山室静訳（改造文庫、1940年）。
• - 『キリストの生涯』中橋一夫訳（実業之日本社、1941年）。後に「世界教養全集9」として平凡社からも出版。
• - 更には、『小説と詩の文体』『魂の創造 ミドルトン・マリ評論集』など、多数の著作が翻訳されています。

結論

ジョン・ミドルトン・マリーは、独自の視点と感受性を持った作家であり、彼の作品は今なお多くの読者に影響を与え続けています。彼の文学における探素や、家族との複雑な関係は、彼自身をより深く理解する手助けとなるでしょう。

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