ジョン・モット

ジョン・ローリー・モットの生涯と影響

ジョン・ローリー・モット（John Raleigh Mott）は、1865年にニューヨーク州リヴィングストンで生まれました。彼は主にYMCAの指導者としての活動で知られ、20世紀の宗教界で最も影響力のある人物の一人とされています。また、1946年にはノーベル平和賞を受賞しています。

幼少期と教育

モットは、農場での幼少期を過ごし、16歳で家族から離れることになります。その後、アッパー・アイオワ大学に進学し、4年間学びます。この大学での経験が、彼の人生の方向性を大きく変えることとなります。特に、同大学でのJ・E・K・スタッドの講演を受けて、政治家としての夢を捨て、真剣な献身を決意するようになりました。

マサチューセッツ州の夏期学校で、ドワイト・ライマン・ムーディーやA・T・ピアソンの説教を聴いたことが、彼に大きな影響を与え、さらに多くの学生たちを国外宣教活動へと導く原動力となりました。1889年にコーネル大学を卒業し、彼はYMCAの活動に本格的に取り組むことになります。

世界宣教の推進

モットは、YMCAの活動を基軸に、世界的な学生キリスト教運動や教会運動において指導的な役割を果たしました。1910年には、エディンバラで開催された世界宣教会議の立役者となり、会議の成果が広がるよう継続委員会を設置しました。

この会議では、モットが委員長を務め、会議の精神を世界へと広めていきました。その後、この活動は世界教会協議会の発展へとつながります。モットは、1913年に日本を訪れた際、日本の教会指導者たちに協同伝道の提案をし、資金を寄付することで、日本のキリスト教界にも多大な影響を残しました。

日本での活動

彼が寄付した資金を基に、日本の教会は協力して「全国協同伝道」という全国規模の伝道集会を企画しました。この活動は1914年から行われ、77万7千人を動員し、2万7千人以上が新たに信仰を決意しました。これにより、大正期の日本の教会は大きな成長を遂げました。

モットは合計で10回、日本を訪れました。特に1925年と1926年に行った際には、日本の財界や政治界のリーダーも招き、大きな集会での講演を行い、その影響力を強めました。1929年には、日本政府から勲一等瑞宝章が贈られています。

ノーベル平和賞と晩年

1946年、モットは絶対非戦論者のE・G・ボルチと共にノーベル平和賞を受賞しました。彼は1954年にエヴァンストンで開催された世界教会協議会に89歳で出席し、彼の死後も伝道者として記憶されるように言及されています。

モットは1955年1月31日に亡くなり、その訃報は昭和天皇にも伝えられました。モットの生涯を通じた影響力は、彼の信仰に基づく献身的な活動を通じて、多くの人々の心に刻まれ続けています。

結論

ジョン・ローリー・モットは、宗教界における指導者であり続け、世界的な宣教運動の発展に寄与した人物です。その影響は、時代を超えて今なお多くの人々に受け継がれています。

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