世界教会協議会

世界教会協議会 (WCC)

世界教会協議会（英語：The World Council of Churches、略称：WCC）は、エキュメニカル運動を支える国際的な組織で、スイスのジュネーヴを本拠地としています。この協議会は、120カ国以上から340以上の教会および教派が参加しており、キリスト教の一致と協力を促進することを目的としています。

歴史的背景

WCCの起源は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて行われたエキュメニカル運動に遡ることができます。この運動は、異なる教派間での対話と協力を促進し、教会の一致を図るためのさまざまな試みを含んでいました。特に、1910年に開催されたエディンバラ宣教会議は、この運動の重要な節目とされています。この会議では、教会指導者たちが共同の使命に基づいて活動する必要性が強調され、エキュメニカル運動の進展に寄与しました。

その後、1937年に世界教会協議会の設立が合意されましたが、公式の設立は第二次世界大戦の影響で1948年8月23日まで延期されました。これにより、WCCは戦後の混乱の中で、教会の一致に向けた新たな道を模索することとなりました。

会員教会

WCCには、プロテスタント教会や正教会、東方の教会、アングリカン・コミュニオンなど幅広い教派がメンバーとして参加しています。一部のバプテスト教会やルター派教会（ただし保守的なルター派教会は非加盟）も含まれています。また、メソジストや改革派教会、カリスマ運動、復古カトリック教会など、様々なキリスト教の伝統が参加することで、教会間の交流が進められています。

特筆すべきは、ローマ・カトリック教会です。これはWCCの公式メンバーではありませんが、30年以上にわたり協力関係を築いており、すべての会議にオブザーバーを派遣しています。バチカンは、教会の一致を促進するために、WCCの委員会に12人の正式な委員を任命するなど、積極的に関与しています。

また、セブンスデー・アドベンチスト教会など、正式なメンバーではないがオブザーバーとして関与する教会もあります。

WCCの活動

WCCは、教会間の対話を進め、共同の使命に基づく活動を展開するため、さまざまなプログラムを実施しています。これには、信仰と政治の関係、貧困と社会的正義、環境問題に関する活動が含まれます。特に、これらのテーマに関する国際的な対話やイベントは、教会員の理解を深め、協力関係を構築するための重要な機会となっています。

WCCは、エキュメニカルな視点から、あらゆる教会が協力し、共通の目標に向かって努力することを重視しています。今後も、WCCは様々な教派の枠を超えた対話と協力を促進し、キリスト教の一致を実現するための活動を続けていくことでしょう。

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