ジョン・レノン・アンソロジー

ジョン・レノン・アンソロジーとは

『ジョン・レノン・アンソロジー』（英: John Lennon Anthology）は、1998年にリリースされたジョン・レノンのボックス・セットです。この作品は全英で62位、全米で99位、日本で30位と、商業的にも一定の成功を収めました。

概要

本ボックス・セットは、94曲の未発表音源を集めたCD4枚組で構成されています。収録曲は1970年代から1980年代にかけてのもので、ビートルズ解散からレノンの暗殺事件までの約10年間に制作されたものです。音源は4つのセクションに分かれた構成で、各セクションには「アスコット」「ニューヨーク・シティ」「失われた週末」「ダコタ」というタイトルが付けられています。一部の楽曲は、特定の時期を超えてセレクトされていますが、基本的には年代順に配置されています。

ボックス・セットには、デジパック形式で収納されたCD4枚の他、ブックレットも同梱されています。ただし、日本盤にはブックレットの収納スペースがありません。また、発売時には東芝EMIからアンケートはがきに応じた千名に対し、抽選でテレフォンカードが配られる企画もありましたが、送られるはずだった「ジョンへのメッセージ集」は最終的に制作されませんでした。

ダイジェスト盤

このボックス・セットからは、いくつかの楽曲を編集したダイジェスト盤『ウォンサポナタイム』も同時にリリースされました。この盤ではトーク部分がカットされているなど、一定の編集が施されています。

収録内容

『ジョン・レノン・アンソロジー』に収録されている楽曲の中には、後にビートルズのメンバーによって完成された「リアル・ラヴ」の原曲などが含まれています。さらに、レノンがリンゴ・スターに提供した「アイム・ザ・グレイテスト」と「グッドナイト・ウィーン」のリハーサル版も収められています。

「アイム・ルージング・ユー」は、バックバンドが異なるメンバーで演奏されており、また「サーヴ・ユアセルフ」はボブ・ディランの楽曲「ガッタ・サーヴ・サムバディ」に対するアンサー・ソングとして知られています。

各ディスクの概要

• - DISC-1（アスコット）: 「労働階級の英雄」「イマジン」などが収録。
• - DISC-2（ニューヨーク・シティ）: 「ニューヨーク・シティ」「ハッピー・クリスマス」などが含まれています。
• - DISC-3（失われた週末）: 「真夜中を突っ走れ」「心のしとねは何処」などの楽曲が登場。
• - DISC-4（ダコタ）: 「アイム・ルージング・ユー」「グロー・オールド・ウィズ・ミー」など、さまざまな未発表音源が収録されています。

これらの楽曲はレノンが示した多面性や創造性を感じさせるものであり、彼の音楽とメッセージを改めて考えさせられる内容となっています。『ジョン・レノン・アンソロジー』は、レノンファンにとって貴重な資料であると同時に、彼の音楽的な遺産の一部となっています。

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