ジョン・ロイド

ジョン・ロイドは、1954年8月27日イギリス・エセックス州リー・オン・シー出身の元男子プロテニス選手です。彼はクリス・エバートの元夫として広く知られていますが、1977年12月の全豪オープン男子シングルスで準優勝を果たした実力者でもあります。

ロイドは混合ダブルスで特に才能を発揮し、ウェンディ・ターンブルとのペアで4大大会の混合ダブルス部門で3度の優勝を飾りました。しかし、ATPツアーではシングルス1勝、ダブルス2勝という成績に留まり、シングルスの自己最高ランキングは21位でした。身長177cm、体重75kg、右利き。

1973年にプロに転向し、同年の全仏オープンで4大大会デビューを果たしました。1974年8月には、全米オープンの直前に開催されたアメリカ・ペンシルベニア州メリオン大会で優勝し、これが彼にとって唯一のシングルス優勝となりました。1977年の全豪オープンは、年頭の1月と年末の12月の2回開催され、ロイドが決勝に進出したのは年末の12月開催の大会でした。この大会では、準々決勝でジョン・ニューカムを破るなど活躍を見せましたが、決勝ではビタス・ゲルレイティスにフルセットの末敗れ、4大大会男子シングルス優勝の機会を逃しました。

1979年4月、ジョン・ロイドはクリス・エバートと結婚しました。その後、エバートは「クリス・エバート・ロイド」と名乗るようになります。1982年から1984年まで、ロイドはウェンディ・ターンブルと混合ダブルスのペアを組み、3年連続でウィンブルドンの混合ダブルス決勝に進出しました。1982年の決勝ではケビン・カレン＆アン・スミス組に敗れましたが、1983年にはスティーブ・デントン＆ビリー・ジーン・キング夫人組を破って優勝、1984年にはデントンとキャシー・ジョーダン組を破って2連覇を達成しました。また、ロイドとターンブルは1982年の全仏オープン混合ダブルスでも優勝しています。

その後、ロイドは1984年全米オープンと1985年全豪オープンで男子シングルスのベスト8に進出し、久しぶりに4大大会の男子シングルスで好成績を収めました。1984年の全米準々決勝ではジミー・コナーズに、1985年の全豪準々決勝ではイワン・レンドルに敗れています。1985年には、ジョンとクリスの夫婦生活を綴った著書『ロイド・オン・ロイド』が出版されました。ジョン・ロイドは1986年のウィンブルドン男子シングルス1回戦敗退を最後に現役を引退しましたが、翌1987年にクリス・エバートと離婚し、8年間の結婚生活に終止符を打ちました。

引退後は、テニスコーチやテレビ解説者として活動しています。2006年9月には、男子テニス国別対抗戦・デビスカップイギリス代表チームの監督に指名され、2010年までチームを率いました。

主な実績
全豪オープン　シングルス準優勝：1977年12月
ウィンブルドン　混合ダブルス優勝：1983年,1984年
* 全仏オープン　混合ダブルス優勝：1982年

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