ジョン・C・ペンバートン

ジョン・クリフォード・ペンバートン：激動の時代を生きた軍人

ジョン・クリフォード・ペンバートン（John Clifford Pemberton、1814年8月10日 - 1881年7月13日）は、アメリカ合衆国の職業軍人です。セミノール戦争や米墨戦争での功績、そして南北戦争での南軍将軍としての活躍と、その後の悲劇的な降伏で歴史に名を刻みました。

生い立ちと初期の軍歴

ペンバートンは1814年、ペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれました。1833年にウェストポイントの陸軍士官学校に入学し、1837年に卒業。第4アメリカ砲兵連隊に少尉として任官しました。セミノール戦争では連隊と共に従軍し、1838年にはロカ・ハッチーの戦いに参加しています。

その後、ペンバートンはニューヨーク州やニュージャージー州での任務を経て、カナダ国境紛争にも関わりました。1840年代にはミシガン州やニューヨーク州で勤務し、1842年には中尉に昇進。バージニア州やペンシルベニア州でも任務を経験し、着実に軍人としてのキャリアを重ねました。

米墨戦争での活躍

1845年、ペンバートンは第4アメリカ砲兵連隊の一員としてテキサス州に派遣され、米墨戦争に参加。パロ・アルトの戦いやレサカ・デ・ラ・パルマの戦いで活躍しました。モンテレーの戦いでの功績により、1846年9月には大尉に名誉昇進しています。

その後もペンバートンは、ベラクルス包囲戦、セルロ・ゴードの戦い、チュルブスコの戦い、モリノ・デル・レイの戦いなど、数々の激戦に参加。1847年9月にはモリノ・デル・レイでの功績により、少佐に名誉昇進を果たしました。チャプルテペク城の急襲にも参加し、負傷しながらも勇敢に戦い抜きました。この戦争での活躍を通じて、ペンバートンは軍人としての名声を確立しました。

米墨戦争終結後、ペンバートンはフロリダ州やルイジアナ州で守備隊任務につき、セミノール族との戦いにも再度参加。1850年には正規軍の大尉に昇進しました。その後も、メリーランド州、ニューヨーク州での勤務を経て、カンザス州やユタ州でも任務に就きました。1861年にはワシントンD.C.の武器庫守備隊を務めました。

南北戦争：ビックスバーグでの悲劇

1861年に南北戦争が勃発すると、ペンバートンは南部出身の妻の影響や、長年南部で勤務した経験から、南軍に加わることを決意。アメリカ陸軍を辞任し、南軍の中佐に任官しました。

ペンバートンは南軍の砲兵隊で頭角を現し、准将に昇進。ノーフォーク方面軍での指揮を経て、1862年には少将に昇進し、サウスカロライナとジョージアの方面軍指揮を任されました。しかし、その性格や北部出身であるという不信感から、両州の知事から解任を求められました。

その後、ペンバートンはミシシッピ方面軍の指揮官として、要塞都市ビックスバーグの防衛を任されました。1862年10月には中将に昇進しましたが、ユリシーズ・グラント率いる北軍の大部隊に圧倒されました。

ペンバートンはジャクソン周辺でジョンストン軍と合流しようとしましたが、チャンピオンヒルの戦いやビッグブラック川の戦いで敗北。ビックスバーグに撤退し、籠城戦を強いられました。ジョンストンからはビックスバーグを犠牲にして軍隊を救うよう忠告されましたが、ペンバートンはそれを拒否。

6週間にわたる包囲戦の末、1863年7月4日、ペンバートンはビックスバーグでグラントに降伏しました。この降伏により、南軍はミシシッピ川の支配権を失い、大きな戦略的損失を被りました。

ペンバートンは降伏後、捕虜交換で釈放されましたが、その後の軍歴は振るわず、1864年に将官職を辞任。その後、砲兵隊の中佐として勤務し、1865年に捕虜となりました。

戦後の生活と死

戦後、ペンバートンはバージニア州で農業に従事した後、ペンシルベニア州に移り住み、1881年にペンリンで亡くなりました。彼はフィラデルフィアのローレルヒル墓地に埋葬されています。

ペンバートンの銅像は、ビックスバーグ国立軍事公園に建てられており、その生涯と軍歴は今日でも語り継がれています。

ペンバートンの生涯は、アメリカ史における激動の時代を象徴するものであり、その功績と悲劇は、今も多くの人々に深い印象を与えています。

もう一度検索