ジョン・E・マクマリー

ジョン・E・マクマリー（John E. McMurry）は、1942年7月27日にニューヨーク市で生まれたアメリカ合衆国の化学者であり、コーネル大学の名誉教授です。彼の研究は有機化学の分野に大きな影響を与え、特に「マクマリー反応」の開発で国際的に知られています。

生い立ちと教育

マクマリーは、1964年にハーバード大学で学士号を取得しました。その後、コロンビア大学に進学し、著名な有機化学者であるギルバート・ストークの指導の下で研究を行い、1967年に博士号を取得しました。彼の卓越した才能は早くから認められ、若くして学術界でのキャリアをスタートさせました。

研究キャリア

博士号取得後、マクマリーはカリフォルニア大学サンタクルーズ校で教鞭を執り、その後1980年にコーネル大学に移籍しました。彼の研究は多岐にわたり、特に有機合成反応の開発に焦点を当てています。100を超える研究論文を発表しており、その業績は学術界で高く評価されています。

マクマリー反応

マクマリーの最も重要な貢献の一つが「マクマリー反応」の開発です。この反応は、2つのカルボニル化合物（アルデヒドまたはケトン）を金属触媒を用いて結合させ、アルケンを生成する有機化学反応です。マクマリー反応は、複雑な有機分子の合成において非常に重要なツールであり、医薬品の合成など様々な分野で広く利用されています。この反応の開発により、有機合成化学の可能性が大きく広がりました。

受賞と栄誉

マクマリーの研究業績は、数々の賞と栄誉によって認められています。1985年にはアメリカ科学振興協会のフェローに選出され、1991年にはマックス・プランク研究賞を受賞しました。これらの受賞は、マクマリーの科学的な貢献と影響力を示すものです。

教育への貢献

マクマリーは研究者としての活動に加えて、教育者としても多大な貢献をしています。彼は、世界中で広く利用されている大学化学教科書の著者であり、その著書は12言語に翻訳されています。彼の教科書は、多くの学生が有機化学を学ぶ上で不可欠な教材となっており、次世代の科学者を育成する上で重要な役割を果たしています。

主な著書（日本語訳版）

マクマリーの著書は、その明快な解説と詳細な内容で知られています。以下に、日本語訳された主な著書を挙げます。

『マクマリー 一般化学（上）』
『マクマリー 一般化学（下）』
『マクマリー 一般化学 演習編』
『マクマリー 有機化学（上）第9版』
『マクマリー 有機化学（中）第9版』
『マクマリー 有機化学（下）第9版』
『マクマリー 有機化学 生体反応へのアプローチ』
『マクマリー 有機化学 生体反応へのアプローチ 問題の解き方 英語版』
『マクマリー 有機化学概説（第７版）』
『マクマリー 生化学反応機構』
『マクマリー 有機化学 問題の解き方（第9版）英語版』
『マクマリー 有機化学 概説問題の解き方（第７版）英語版』

これらの教科書は、大学レベルの化学教育において、標準的な教材として広く採用されており、多くの学生が化学の基礎を学ぶ上で重要な役割を果たしています。

ジョン・E・マクマリーは、研究者、教育者として、有機化学の発展に多大な貢献をしてきた偉大な化学者です。彼の研究と教育への情熱は、今後も多くの学生や研究者に影響を与え続けるでしょう。

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