ジョーイ・ジャーデロ

ジョーイ・ジャーデロ（Joey Giardello）は、1930年7月16日に生まれ、2008年9月4日に逝去したアメリカ合衆国のプロボクサーです。元WBA・WBC世界ミドル級の統一王者として知られています。

ニューヨークでイタリア系の家庭に生まれたジャーデロは、1948年にプロボクサーとしてのキャリアをスタートさせました。彼は非常に長いキャリアを送り、いわゆる遅咲きの選手として知られています。プロ入りから10年以上が経過した1959年には、後に自身が世界王座を争うことになるアフリカの強豪ディック・タイガーと二度にわたり対戦し、一勝一敗の成績を残しました。この頃から、彼は世界のトップ戦線で注目される存在となっていきます。

翌1960年4月20日には、NBA世界ミドル級王者であったジーン・フルマーに挑戦する機会を得ましたが、15ラウンドに及ぶ激闘の末、結果は引き分けとなり、惜しくもこの時は王座獲得を果たすことはできませんでした。しかし、彼の粘り強さと実力は、多くのファンや関係者に認められるところとなりました。

1963年6月24日、ジャーデロはボクシング史上不朽の伝説であるシュガー・レイ・ロビンソンと対戦しました。ロビンソンはキャリア終盤を迎えていましたが、その実力は健在であり、ジャーデロはこの偉大なボクサーから勝利を収め、自身の評価をさらに高めました。この重要な勝利を弾みとして、同年12月7日には、WBAおよびWBCの世界ミドル級統一王者となっていたディック・タイガーに再び挑戦しました。

三度目の対戦となったタイガー戦は、互いの意地がぶつかり合う激しい一戦となりましたが、ジョーイ・ジャーデロは15ラウンドを戦い抜き、判定で見事勝利を収めました。この勝利により、タイガーの三度目の王座防衛を阻止すると同時に、33歳という年齢でついに世界の頂点、世界ミドル級統一王座を獲得しました。これは、彼の長年の努力と不屈の精神が結実した瞬間でした。

世界王者となったジャーデロは、初防衛戦で強敵ルービン・カーターを迎撃しました。カーターの猛攻に対し、ジャーデロは冷静に対応し、判定で勝利。王座の初防衛に成功しました。しかし、1965年10月21日、彼は因縁の相手であるディック・タイガーと四度目の対戦を行います。この二度目の防衛戦で、ジャーデロはタイガーに敗れ、世界王座を失いました。

プロキャリアを通じて、ジョーイ・ジャーデロは非常に多くの試合を経験しました。その通算戦績は134戦に及び、101勝（33KO）25敗7引分けという記録を残しています。これは、彼がいかに長く、そしてタフなキャリアを歩んだかを物語っています。多くの強敵と戦い、遅咲きながらも世界の頂点に立ち、その地位を守るために戦い続けたジョーイ・ジャーデロは、ボクシング史において記憶されるべきボクサーの一人と言えるでしょう。

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