ジョージアの地区

ジョージアの地区（ムニツィパリテティ）について

ジョージアでは、州および自治共和国の下位行政区画として、地区（グルジア語: მუნიციპალიტეტი、munitsipaliteti）が設置されています。2020年現在、ジョージアには64の地区があり、地区と同等の権限を持つ行政単位として5つの自治市（グルジア語: თვითმმართველი ქალაქი、tvitmmartveli kalaki）が存在します。

地区はジョージアにおいて、地方政府によって統治される行政区画の最小単位です。地区の首長である地区長（グルジア語: მერი、meri）および地区議会の議員は、4年任期の公選によって選出されます。

歴史

グルジアSSR時代の1929年から1930年にかけて、帝政ロシア時代からの行政区画に対して刷新が行われ、現在の地区の区画に近いラヨン（ロシア語: Район、グルジア語: რაიონი）が創設されました。このラヨンもまた、日本語で「地区」と訳されます。

1991年から2006年まで、ラヨンは大統領が任命した首長によって統治されていました。首長は当初、プレペクティ（グルジア語: პრეფექტი、prepekti、「長官」「知事」を意味する）と呼ばれ、後にガムゲブリ（グルジア語: გამგებლი、gamgebli、「知事」「総督」を意味する）と改称されました。

1998年から2006年まで、地区とは別に、地方自治を行う組織体が設置されました。この自治体は、ソペリ（村、グルジア語: სოფელი）、テミ（郷、グルジア語: თემი）、ダバ（町、グルジア語: დაბა）、あるいはカラキ（市、グルジア語: ქალაქი）という単位であり、合計で1,004の自治体が存在しました。

行政区画の変遷

2005年、ジョージアの非政府組織は、二層制の地方政府の導入を想定したプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、全国に13のムハレ（州、グルジア語: მხარე）を置き、その下にカラキ（市、グルジア語: ქალაქი）またはテミ（郷、グルジア語: თემი）を設置する案が提起されました。しかし、このプロジェクトは受け入れられず、代わりに既存の下位自治体を廃止統合する案が採用されました。

その結果、地区は地方自治の最小単位となり、地区の呼称はラヨンからムニツィパリテティ（グルジア語: მუნიციპალიტეტი、「自治体」を意味する）に変更となりました。2006年には統一地方選挙が実施され、地区議会議員が選出されました。2014年には全ての地区長を住民の直接選挙で選ぶ法案が可決され、同年の統一地方選挙で公選の地区長が選出されました。

現在のジョージアにおける地区は、地方自治の基盤として重要な役割を果たしており、住民の意思を反映した行政運営が行われています。

参考資料

* საქართველოს ადგილობრივი თვითმმართველობის კოდექსი

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