ジョージ・グローブス

ジョージ・グローブス

ジョージ・グローブス（George Groves）は、1988年3月26日にイギリスのロンドンで生まれた元プロボクサー、そして元キックボクサーです。特にプロボクシングでは、WBA世界スーパーミドル級のスーパー王者としてその名を刻みました。

経歴

グローブスの格闘技キャリアは、わずか7歳の時に始まりました。極めて内気な性格を心配した父親の勧めでキックボクシングを始め、ジュニアカテゴリーではヨーロッパ王者、そして世界王者にまで登り詰めています。その後、ボクシングへと転向。アマチュアキャリアを通じて76戦66勝（40KO）10敗という優れた戦績を残し、その強打ぶりは注目を集めました。

プロの舞台へは、元世界王者のデビッド・ヘイが運営するヘイメーカー・プロモーションズと契約して進出。2008年11月15日、O2アリーナでのデビュー戦を判定勝利で飾り、プロキャリアを白星でスタートさせました。

プロとして経験を積む中で、グローブスは複数の国内および地域のタイトルを獲得していきます。2010年4月にはコモンウェルススーパーミドル級王座を、2011年5月にはBBBofC英国スーパーミドル級王座を獲得。この間、プロモーターをフランク・ウォーレン氏へと変更しています。

キャリアの重要な転機となったのは、2013年11月23日に行われたWBA・IBF世界スーパーミドル級統一王者カール・フローチとの初対戦でした。マンチェスター・アリーナで行われたこの試合で、グローブスは初回に王者からダウンを奪うなど優位に進めていましたが、9回にレフェリーが試合をストップ。これは早すぎるストップとして大きな物議を醸し、当時のジャッジ採点では3者全員がグローブスのリードを示していました。この試合でプロ初黒星を喫し、世界王座獲得は叶いませんでした。

その後、グローブスはプロモーター契約先をザウアーラント・イベントに変更。2014年5月31日には、ウェンブリー・スタジアムで再びカール・フローチと対戦しました。前戦の雪辱を期した一戦でしたが、8回にノックアウト負けを喫し、2度目の世界王座挑戦も失敗に終わりました。

しかし、グローブスは再起を図り、2014年9月にはEBU欧州スーパーミドル級王座とWBC世界スーパーミドル級シルバー王座を獲得。世界戦線への復帰を目指します。2015年9月には、ラスベガスでWBC世界スーパーミドル級王者バドゥ・ジャックに挑戦しましたが、僅差の判定で敗れ、またしても世界王座獲得はなりませんでした。

2016年にはWBAインターナショナルスーパーミドル級王座を獲得し、WBA世界スーパーミドル級挑戦権を獲得。そして2017年5月27日、WBA世界スーパーミドル級スーパー王座決定戦でヒョードル・チュディノフと対戦し、6回TKO勝利で悲願のWBAスーパー王座を獲得しました。

世界ボクシング・スーパー・シリーズ（WBSS）のスーパーミドル級トーナメントにも参戦したグローブスは、準々決勝でジェイミー・コックスを退け、WBA王座の初防衛に成功。準決勝ではクリス・ユーバンク・ジュニアとの英国人対決を制し、WBAスーパー王座の2度目の防衛とIBO世界スーパーミドル級王座の獲得を果たし、決勝進出を決めました。しかし、この試合で負傷した肩の影響により、決勝は延期となります。

2018年9月28日、サウジアラビアで行われたWBSS決勝でカラム・スミスと対戦。激しい打ち合いの末、7回にKO負けを喫し、WBAスーパー王座を失う結果となりました。

カラム・スミス戦での敗北後、グローブスは2019年1月28日に現役からの引退を表明。波乱に満ちたキャリアに終止符を打ちました。

獲得タイトル

コモンウェルスイギリス連邦スーパーミドル級王座
BBBofC英国スーパーミドル級王座
WBAインターコンチネンタルスーパーミドル級王座
EBU欧州スーパーミドル級王座
WBC世界スーパーミドル級シルバー王座
WBAインターナショナルスーパーミドル級王座
WBA世界スーパーミドル級スーパー王座
IBO世界スーパーミドル級王座

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