ジョージ・H・W・ブッシュ (空母)

ジョージ・H・W・ブッシュ（USS George H. W. Bush, CVN-77）

ジョージ・H・W・ブッシュ（CVN-77）は、アメリカ海軍のニミッツ級航空母艦の第10艦であり、ニミッツ級としては最終艦です。この艦名は、第二次世界大戦中に海軍パイロットとして活動していた後、アメリカ合衆国の第41代大統領となったジョージ・H・W・ブッシュ氏に敬意を表して命名されました。

特徴

ジョージ・H・W・ブッシュは、戦争時代の元海軍パイロットにちなんで命名された初めての空母であり、次世代のジェラルド・R・フォード級空母への移行を意識した設計がなされています。しかし、最終的には既存のニミッツ級から大きな変更は加えられず、艦型は従来型となりました。

この艦は数多くの最新鋭装備を備えており、ジェラルド・R・フォード級の実験的な役割も持っています。ケーブルを最小限にし、光ファイバーを使用して電子機器を接続することで、軽量化と省力化を謀っています。それに加えて、大型電子機器の搬入がスムーズに行えるよう、艦内の一部の船室はモジュール化され、フレキシブルな配置が可能になります。ダメージコントロールのためには新たな感知システムが採用され、半自動化が進められています。

当初、艦に搭載するカタパルトは電磁式であることが計画されていましたが、就役時点での完成の見込みが立たなくなったため、従来のスチーム式カタパルトに変更されました。

艦歴

ジョージ・H・W・ブッシュの建造は、2001年にノースロップ・グラマン社のニューポート・ニューズ造船所で始まりました。2002年12月には艦名が発表され、2006年には命名式が行われ、ブッシュ元大統領が出席しました。2009年にはノーフォーク海軍基地で正式に就役し、同艦は歴史的な瞬間となり、存命中の人の名が付けられた空母に乗船するという特異な出来事がありました。

2011年には初めての作戦航海に出かけ、地中海や中東を航行後、2011年12月に帰港。また、その後は短期航海としてX-47無人機の試験運用などが行われました。2014年からはISILに対抗するための任務も実施し、8月から空爆を開始しました。以降も訓練や任務のために多くの航海を行い、2016年には定期修理を経て再び海へと出発しました。

さらに2017年には、初の空母艦載機として無人給油機MQ-25Aの運用も開始され、最新技術が搭載されることとなりました。また、数回にわたる整備での問題も報告されています。2022年、艦上でF/A-18E機体の修理が行われ、2023年には完全復旧が通知されたという事例もありました。

存命中の人名が命名された艦船

アメリカ海軍では、艦船に命名される際、多くは存命中の人名が使用されません。しかし、近年では次のような艦船が名付けられています。

• - カール・ヴィンソン
• - ロナルド・レーガン
• - ジョージ・H・W・ブッシュ
• - アーレイ・バーク
• - ジミー・カーター

これにより、ジョージ・H・W・ブッシュも存命中にその名を冠された比較的新しい艦船となりました。

第7空母航空団

ジョージ・H・W・ブッシュは、2021年時点で第7艦隊空母航空団（CVW-7）に所属し、複数の飛行隊から構成されています。

まとめ

ジョージ・H・W・ブッシュは、アメリカ海軍において重要な役割を果たし続けている艦船であり、数々の歴史的瞬間と先進技術の象徴でもあります。今後の任務においても、その存在が海軍にとって欠かせないものとなることでしょう。

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