ジョーダン・ライルズ

ジョーダン・ライルズ：苦難を乗り越えるベテラン右腕

ジョーダン・ホートン・ライルズ（Jordan Horton Lyles）は、1990年10月19日生まれ、アメリカ合衆国サウスカロライナ州出身のプロ野球選手です。右投右打の投手として、MLBのカンザスシティ・ロイヤルズに所属しています。

プロ入りとMLBデビュー

2008年のMLBドラフトでヒューストン・アストロズから1巡目追補（全体38位）で指名され、プロのキャリアをスタートさせました。2010年には、将来有望な若手選手が集うオールスター・フューチャーズゲームにも選出され、その才能の片鱗を見せました。

2011年、ライルズはメジャーリーグデビューを果たします。ワンディ・ロドリゲスの故障に伴い、アストロズとメジャー契約を結び、5月31日のシカゴ・カブス戦で先発として初登板。当時20歳だった彼は、リーグ最年少選手として注目を集めました。8月3日のシンシナティ・レッズ戦では、念願のメジャー初勝利を手にしました。この年、20試合に登板（先発15試合）し、2勝8敗、防御率5.36、67奪三振という成績を残しました。

コロラド・ロッキーズ時代

2013年オフ、デクスター・ファウラーとのトレードでコロラド・ロッキーズへ移籍。2014年は、AAA級での調整を経てメジャー昇格を果たすと、12試合に登板し5勝1敗、防御率3.52と好成績を収めます。しかし、6月に左手を骨折し、戦線離脱を余儀なくされました。

転機と苦難の時代

その後、サンディエゴ・パドレス、ミルウォーキー・ブルワーズ、ピッツバーグ・パイレーツ、テキサス・レンジャーズ、ボルチモア・オリオールズと、数多くの球団を渡り歩きます。目立った成績を残せないシーズンが続き、苦しい時期を過ごしました。

カンザスシティ・ロイヤルズでの再起

2022年12月、カンザスシティ・ロイヤルズと2年契約を結びます。しかし、2023年は開幕からMLB史上ワーストとなる15試合連続先発試合勝利なしという記録を作ってしまいます。それでも彼は諦めず、6月24日のタンパベイ・レイズ戦で、ついにシーズン初勝利を挙げました。これは彼にとって16回目の先発登板であり、長いトンネルを抜けた瞬間でした。

プレースタイル

ライルズは、90～96mphのフォーシーム、89～95mphのツーシーム、84～89mphのカッター、77～83mphのカーブを主体とする投球スタイルです。対左打者にはチェンジアップも効果的に使用します。スライダーはほとんど投げません。

粘り強さが生んだ記録と勝利

ジョーダン・ライルズは、決してエリートと呼ばれる選手ではありません。しかし、彼は常に前向きな姿勢を崩さず、どんな困難にも立ち向かってきました。その粘り強さこそが、彼を支え、数々の記録と勝利に繋がっていると言えるでしょう。今後の活躍にも期待したいベテラン右腕です。

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