ジョー・プロフィット

ジョー・プロフィット：人種差別を乗り越え、フットボール界に足跡を残した男

ジョー・プロフィット（Joe Profit、1949年8月13日 - ）は、アメリカンフットボールのランニングバックとして活躍した人物です。ルイジアナ州レイクプロビデンスで生まれ、幼少期からフットボールに親しんで育ちました。

人種差別の壁を越えて

プロフィットがフットボールを始めた頃、ルイジアナ州では人種差別が色濃く残っていました。多くのアフリカ系アメリカ人選手は、グランブリング州立大学やサザン大学といった黒人大学でプレーするのが一般的でした。しかし、プロフィットは白人が大多数を占めるノースイーストルイジアナ大学に進学。これは、ルイジアナ州における人種差別に一石を投じる出来事でした。

彼以前にも、エルビン・アイボリーがサウスウェスタンルイジアナ大学のバスケットボールチームに加入していましたが、フットボールという最も人気のあるスポーツにおいては、プロフィットが初めて白人大学でプレーする黒人選手となったのです。

大学での輝かしい活躍

大学でのプロフィットは、目覚ましい活躍を見せました。1年次は172ヤードの獲得にとどまりましたが、2年次には大学記録となる884ヤードを走り、3年次には1,027ヤードと自身の記録を更新。大学4年間で2,818ヤードを走り、23回のタッチダウンを記録しました。

NFLでの苦難と移籍

1971年のNFLドラフトでは、全体7位という高い評価でアトランタ・ファルコンズに指名されました。しかし、NFLでのキャリアは決して順風満帆ではありませんでした。第4週の試合で膝に重傷を負い、シーズンを棒に振ってしまいます。その後も、1972年は40回のランで132ヤード、1973年は18回のランで55ヤードと、期待されたほどの活躍は見せられませんでした。

ファルコンズには2シーズン半在籍し、17試合に出場、わずか197ヤードのランに終わりました。1973年のシーズン途中にニューオーリンズ・セインツに移籍し、274ヤードを走りましたが、その後NFLでプレーすることはありませんでした。

WFLでのプレーと引退後

1974年には、ワールド・フットボール・リーグ（WFL）のバーミンガム・アメリカンズに所属。ワールドボウルの第2Qで最初のタッチダウンを挙げるなど、一定の活躍を見せました。1975年にはバーミンガム・バルカンズでプレーし、その後現役を引退しました。

政界への挑戦

引退後、プロフィットは政界に転身。2018年には、アメリカ合衆国下院議員選挙に共和党からジョージア州の選挙区で出馬しましたが、民主党のハンク・ジョンソンに敗れました。

ジョー・プロフィットは、人種差別の壁を乗り越え、フットボール選手として、そして政治家として、自らの道を切り開いてきた人物です。彼の勇気と努力は、多くの人々に希望を与え続けています。

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