アトランタ・ファルコンズ

アトランタ・ファルコンズの歴史

アトランタ・ファルコンズは、1966年にNFLのエクスパンションチームとして誕生しました。創設当初は苦戦を強いられましたが、数々のドラマと激闘を繰り広げ、NFLの歴史にその名を刻んできました。ここでは、ファルコンズの輝かしい歴史を年代順に詳しく見ていきましょう。

1960年代：創設期の苦闘

1965年6月30日、ランキン・スミスがオーナーとなり、チームが正式に創設されました。同年11月27日のドラフトでは、1巡目全体1位でトミー・ノービスを獲得。ノービスはAFLドラフトでも指名されていましたが、ファルコンズに入団しました。

1966年8月1日、フィラデルフィア・イーグルスとの初のプレシーズンゲームが行われましたが、レギュラーシーズンでは開幕から9連敗。ようやく11月20日にニューヨーク・ジャイアンツを破り初勝利をあげました。この年、ノービスはルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝き、プロボウルにも選出されました。

1960年代の4年間で、チームはわずか12勝しか挙げられず、苦難の時代が続きました。

1970年代：初の勝ち越しとプレーオフ進出

1970年、ボブ・ベリーがチーム初の300ヤードパサーとなり、ジム・バトラーがチーム記録となる127ヤードを走りました。11月30日にはマンデーナイトフットボールに初登場しましたが、4勝8敗2分でシーズンを終えました。1971年には、ヘッドコーチのノーム・バン・ブルックリンがプロフットボール殿堂入り。チームは7勝6敗1分けで初のシーズン勝ち越しを果たしました。

1972年には、ハイズマン賞受賞者のパット・サリバンを獲得。デイブ・ハンプトンがチーム記録となる161ヤードを走る活躍を見せましたが、7勝7敗でシーズンを終えました。1973年には開幕戦で大勝したものの、プレーオフ進出はなりませんでした。1974年にはヘッドコーチが交代し、チームは3勝11敗でシーズンを終えました。

1975年には、ジョージ・クンツをトレードし、QBスティーブ・バートコウスキーを獲得。デイブ・ハンプトンが1000ヤードラッシャーとなりました。1976年、ヘッドコーチが交代するものの、チームは4勝10敗に終わりました。

1977年、エディ・ルバロンがGMに、リーマン・ベネットがヘッドコーチに就任し、ディフェンスが大きく改善。チームは7勝7敗でシーズンを終えました。1978年には、創設13年目にして初のプレーオフ進出を果たし、ワイルドカードで勝利したものの、ディビジョナルプレーオフで敗退。

1979年には、新人RBウィリアム・アンドリュースが活躍し、チームは6勝10敗でシーズンを終えました。

1980年代：地区優勝とプレーオフの壁

1980年、バートコウスキーが成長を遂げ、チームは9連勝も記録。12勝4敗でNFC西地区初優勝を飾りました。しかしプレーオフでは、カウボーイズに敗れました。

1981年、チームは7勝9敗でシーズンを終え、プレーオフ進出はなりませんでした。1982年の短縮シーズンでは、プレーオフに進出するも、1回戦で敗退しました。

1983年、ダン・ヘニングがヘッドコーチに就任しましたが、7勝9敗で終わりました。1984年には、アンドリューが負傷離脱する中、リグズが活躍を見せましたが、チームは4勝12敗でした。

1985年も4勝12敗に終わりました。1986年、バートコウスキーを解雇し、エースQBはデビッド・アーチャーとなりましたが、チームは7勝8敗1分。この年、長年活躍したジェフ・ヴァン・ノートが引退し、背番号57が永久欠番となりました。

1987年には、クリス・ミラーを獲得。リグズがチームのオールタイムリーディングラッシャーとなりましたが、チームは3勝12敗に終わりました。1988年には5勝11敗、1989年にはディオン・サンダースを獲得しましたが、3勝13敗でした。

1990年代：新時代への模索とスーパーボウル初出場

1990年、ジェリー・グランビルがヘッドコーチに就任し、チームは5勝11敗。1991年には9勝7敗でプレーオフに進出しましたが、2回戦で敗退。

1992年、ホームスタジアムをジョージア・ドームに移転。チームは6勝10敗。1993年には、ボビー・エイビアが活躍しましたが、6勝10敗でシーズン終了。

1994年、ディオン・サンダースを失い、ジェフ・ジョージを獲得しましたが、7勝9敗でした。1995年には9勝7敗でプレーオフ進出も、1回戦で敗退。1996年には3勝13敗で終わりました。

1997年、ダン・リーブスがヘッドコーチに就任し、7勝9敗。1998年、RBジャマール・アンダーソンの活躍などで14勝2敗とチーム史上最高の成績をあげ、スーパーボウルに初出場を果たしましたが、デンバー・ブロンコスに敗れました。

1999年、アンダーソンがシーズン絶望となる大怪我をし、チームは5勝11敗でシーズンを終えました。

2000年代：ヴィック時代と低迷

2000年、チームは4勝12敗。2001年にはマイケル・ヴィックを獲得しましたが、7勝9敗でプレーオフを逃しました。

2002年、新オーナーのアーサー・ブランクが就任。ヴィックがエースQBに昇格し、9勝6敗1分でプレーオフ進出。1回戦を突破するも、2回戦で敗退しました。2003年には、ヴィックの怪我も響き5勝11敗でシーズンを終え、ヘッドコーチも交代しました。

2004年、ジム・L・モーラがヘッドコーチに就任。11勝5敗でNFC南地区優勝を果たし、NFCチャンピオンシップゲームまで進みましたが、敗退しました。2005年には8勝8敗、2006年には7勝9敗でプレーオフ進出はなりませんでした。2007年には、ヴィックの不祥事もあり、チームは4勝12敗に終わりました。

2008年、マイク・スミスがヘッドコーチに就任。マット・ライアンを獲得し、チームは11勝5敗でプレーオフ進出も、1回戦で敗退しました。2009年には9勝7敗に終わりました。

2010年代：黄金期とスーパーボウルでの悲劇

2010年、13勝3敗で地区優勝、NFC第1シードを獲得しましたが、プレーオフで敗退。2011年には、ワイルドカードでプレーオフに出場するも、1回戦で敗退。2012年には13勝3敗でNFC第1シードを獲得、カンファレンス決勝で敗退しました。2013年には4勝12敗、2014年には6勝10敗に終わりました。

2015年、ダン・クインがヘッドコーチに就任し、8勝8敗。2016年には11勝5敗で地区優勝を果たし、18年ぶりにスーパーボウル出場を果たしました。スーパーボウルでは、ニューイングランド・ペイトリオッツに28-3と大きくリードしましたが、終盤に追いつかれ、スーパーボウル史上初の延長戦で敗北という悲劇を味わいました。

2017年にはワイルドカードでプレーオフに進出するも、2回戦で敗退。2018年、2019年と連続でプレーオフを逃しました。

2020年以降：再建の道へ

2020年、0勝5敗のスタートとなり、HCとGMが解雇されました。2021年にはフリオ・ジョーンズをトレードし、2022年にはマット・ライアンを放出するなど、チームは再建へと舵を切りました。

2023年には、プレーオフ進出を逃し、ヘッドコーチが交代しました。2024年、新QBカーク・カズンズを迎えシーズンに挑みましたが、プレーオフ進出はなりませんでした。

文化

アトランタ・ファルコンズは、地域社会に根ざしたチームとして、多くのファンに愛されています。チームのマスコットは、ハヤブサの「フレディ・ファルコン」です。チアリーダーチーム「アトランタ・ファルコンズ・チアリーダーズ」も、熱い応援でチームを盛り上げています。

主な選手

数々の名選手がファルコンズに所属し、チームの歴史を彩ってきました。永久欠番は制定されていませんが、「リング・オブ・オナー」として、スティーブ・バートコウスキー、ディオン・サンダース、ウォリック・ダンなど多くの選手がその栄誉を讃えられています。

歴代ヘッドコーチ

ファルコンズの歴史を築いてきた歴代のヘッドコーチは以下の通りです。

ノーブ・ヘッカー (1966-1968)
ノーム・バンブルックリン (1968-1974)
マリオン・キャンベル (1974-1976)
パット・ペプラー (1976)
リーマン・ベネット (1977-1982)
ダン・ヘニング (1983-1986)
マリオン・キャンベル (1987-1989)
ジム・ハニファン (1989)
ジェリー・グランビル (1990-1993)
ジューン・ジョーンズ (1994-1996)
ダン・リーブス (1997-2003)
ウェイド・フィリップス (2003)
ジム・L・モーラ (2004-2006)
ボビー・ペトリーノ (2007)
マイク・スミス (2008-2014)
ダン・クイン (2015-2020)
アーサー・スミス (2021-2023)
ラヒーム・モリス (2024-)

まとめ

アトランタ・ファルコンズは、創設以来、多くの苦難を乗り越えながらも、NFLの歴史にその名を刻んできました。スーパーボウルでの悲劇、数々の名選手の活躍、そして新たな時代への挑戦。ファルコンズの歴史は、アメリカンフットボールの魅力を物語る上で、欠かすことのできない重要な要素です。

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