ジルベール・デュクロラサール

ジルベール・デュクロラサール（Gilbert Duclos-Lassalle、1954年8月25日 - ）は、フランス・ランベイエ出身の元自転車競技選手です。彼の息子であるエルベ・デュクロラサールも、現在コフィディスに所属するロードレース選手として活躍しています。

経歴

1977年にプロ選手としてのキャリアをスタートさせ、1995年まで現役を続けました。所属チームは一貫して、かつての名門チームであったプジョーの流れを汲むチームでした。ベルナール・テブネ、ハニー・クイパー、フィル・アンダーソン、ステファン・ロッシュ、グレッグ・レモンといった名選手たちとチームメイトとして活躍し、主にグランツールでは彼らのアシスト役を担うことが多くありました。

1980年にはパリ〜ニースで総合優勝、1983年にはボルドー〜パリを制覇、1984年には個人追い抜きのフランスチャンピオンに輝くなど、輝かしい成績を収めました。しかし、彼の選手生活が最も花開いたのは、選手生活の晩年であったと言えるでしょう。

1992年のパリ〜ルーベでは、オラフ・ルードヴィッヒらとのスプリント争いを制し、初の同レース優勝を果たしました。さらに翌1993年のパリ〜ルーベでも、フランコ・バッレリーニ、ルードヴィッヒらとの激しい争いを制し、見事連覇を達成。パリ〜ルーベの連覇は、フランチェスコ・モゼール（1978年〜1980年）以来の快挙でした。

引退後は、テレビ解説者として活動しています。

エピソード

日本では、彼が主に活躍したクラシックレースがあまり馴染みがなかったため、ジルベール・デュクロラサールの知名度はそれほど高くありませんでした。しかし、1992年のツール・ド・フランスでの献身的なアシストが大きな注目を集めることになります。

エースであるグレッグ・レモンが不調に陥り、優勝争いはおろか集団から脱落し、リタイア寸前の状況に追い込まれる中、デュクロラサールはただ一人レモンの傍を離れず、献身的に伴走しました。結果として、二人は時間切れで失格処分となりますが、自身の成績を顧みずエースに尽くした彼の姿は多くの人々に感動を与え、雑誌などで「青い目のサムライ」と称えられました。

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