ジロカストラ

ジロカストラ：アルバニア南部の古都

ジロカストラは、アルバニア南部に位置する人口約43,000人の都市です。その歴史的な町並みはユネスコの世界遺産に登録されており、オスマン帝国時代の面影を色濃く残す、石造りの家々が連なる風景が特徴的です。

歴史

ジロカストラの歴史は古く、鉄器時代に遡ります。古代にはギリシャ人の部族であるハオニア人が居住し、3世紀には城壁が築かれました。6世紀から12世紀にかけては、商業の中心地として発展し、「銀の都市」や「銀の城」として知られるようになりました。

1417年からはオスマン帝国の支配下に入り、19世紀にはアルバニア人の民族覚醒運動の中心地となりました。バルカン戦争時にはギリシャ軍に占領されましたが、1913年にアルバニアに組み込まれました。第一次世界大戦後には北エピルス自治共和国の首都が置かれましたが、最終的にはアルバニア領となりました。

文化

ジロカストラは、アルバニア人とギリシャ人が共存する街であり、両国の文化が色濃く反映されています。市内にはギリシャの領事館が置かれ、ギリシャ語の新聞も発行されています。5年ごとに開催されるジロカストラ民族文化フェスティバルでは、アルバニアとギリシャの伝統的な音楽や舞踊が披露されます。

ランドマーク

ジロカストラ城： 市内を見下ろす丘の上にそびえ立つ城塞。3世紀に築かれた城壁や、オスマン帝国時代の建物が残っています。内部には軍事博物館があり、大砲や戦闘機などが展示されています。
旧市街： 石造りの家々が連なる、オスマン帝国時代の町並み。迷路のような路地を散策すると、歴史的な雰囲気を味わうことができます。多くの家屋は独特の地元のスタイルで建てられており、「石の町」というニックネームの由来となっています。
ジロカストラモスク： 1757年に建てられたモスク。アルバニアの文化革命で多くの宗教施設が破壊される中、現存する貴重なモスクです。

経済

ジロカストラは、食品加工や皮革、織物などの産業が盛んな商業都市です。近年では観光業にも力を入れており、多くの伝統的な家屋が再建され、ホテルやレストランとして活用されています。

教育

ジロカストラには、エチェレム・チャベイ大学があります。また、1663年に創立されたギリシャ語の学校や、1727年に開設されたマドラサなど、歴史ある教育機関も存在します。

アクセス

ジロカストラへは、首都ティラナから長距離バスや乗り合いタクシーでアクセスできます。また、ギリシャのアテネからも長距離バスが運行しています。

観光

ジロカストラは、歴史的な町並みや城塞などの見どころが多く、アルバニアを訪れる観光客に人気の都市です。また、近郊には美しい自然が広がっており、ハイキングやトレッキングなどのアクティビティも楽しめます。

出身著名人

エンヴェル・ホッジャ：アルバニア労働党第一書記、首相
* イスマイル・カダレ：作家

ジロカストラは、アルバニアの歴史と文化を肌で感じることができる魅力的な都市です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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