ジヴァニア

ジヴァニア：キプロス生まれの伝統的なブドウ蒸留酒

ジヴァニアは、地中海のキプロス島で伝統的に造られてきた、ブドウを主原料とする蒸留酒です。ブランデーの一種であり、その製法や種類は多岐にわたります。

ジヴァニアの概要

ジヴァニアは、主に以下の特徴を持ちます。

原料： キプロス島で栽培されるXynisteri種やMavro種などのブドウを使用します。
製法： 熟したブドウを発酵させた辛口ワインと、ワイン製造時に出るブドウの搾りかす（ポマース）を混合し、専用の蒸留器で蒸留します。ポマースを使用せずにワインのみを蒸留する場合もあります。
種類： 基本的には無色透明なホワイトスピリッツですが、長期熟成によって色が付いたものや、ポマースを漬け込んで水で希釈した混成酒も存在します。
香り： レーズンのような独特の香りがあります。
アルコール度数： 一般的に45%程度で製品化されます。

ジヴァニアの製法

ジヴァニアの主な製法は以下の3種類です。

1. 伝統的な製法： 選果されたブドウから作ったワインとポマースを混合して蒸留する。
2. ワインのみを使用する製法： ポマースを使わず、地元産のワインを蒸留する（通常のグレープブランデーと同様）。
3. 混成酒： 上記のいずれかの製法で作られた蒸留酒にポマースを漬け込み、水で希釈する。

ジヴァニアの歴史

ジヴァニアは、少なくとも1879年にはキプロス島で製造されていたことが文献で確認されています。1989年以降は、EUによって、キプロス島で作られた特定の製法のグレープブランデーのみが「ジヴァニア」と名乗ることが認められています。

キプロスでのジヴァニア

ジヴァニアは、キプロス島で様々な用途で親しまれてきました。

飲用： 乾燥ナッツや地元の料理をつまみに、食中酒や食後酒として楽しまれます。近年では、冷凍庫で冷やして飲むこともあります。
薬用： 傷口の消毒、マッサージ、風邪薬、歯痛の治療など、薬としても利用されてきました。
暖房： 特に山間部の村々では、冬に体を温めるために飲まれてきました。
高級品： 長期熟成されたジヴァニアは高級品として扱われ、特別な行事や客人のもてなしに使われます。
混成酒： シナモンを漬け込んだ赤色の混成酒も作られており、独特の風味があります。

ジヴァニアは、キプロスの文化と深く結びついた伝統的なお酒です。その多様な種類と用途は、キプロスの人々の生活に深く根ざしています。

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