スウェーデンのビルギッタ

聖ビルギッタ（聖ビルジッタ）

聖ビルギッタ（1303年 - 1373年）は、スウェーデン出身の聖職者で、カトリック教会とルーテル教会で聖人とされています。シトー会に所属した後、独自のビルギッタ会を設立しました。ヨーロッパ、スウェーデン、そして未亡人の守護聖人として広く崇敬されています。

生涯

ビルギッタは、本名をビルギッタ・ビルゲンスドッテルといい、ウップランド地方の知事であるビルゲル・ペッションの娘として生まれました。父は国内でも有数の裕福な地主であり、母も名門ビェルボ家の出身でした。母方の繋がりから、ビルギッタは幼い頃よりスウェーデン王室との交流がありました。

1316年、13歳の時にネルケ地方の領主ウルフ・グドマルションと結婚し、8人の子供をもうけました。その中には、後に聖人となるスウェーデンの聖カタリナも含まれています。ビルギッタの気高く慈愛に満ちた生活は、遠くまで広く知られることとなり、その深い信仰心は夫をも動かしました。夫婦は1341年から1343年にかけて、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出かけました。

1344年、巡礼から帰国後まもなく、夫ウルフがエステルイェートランド地方のシトー会修道院で亡くなりました。この出来事をきっかけに、ビルギッタは残りの人生を信仰に捧げることを決意します。

彼女はビルギッタ会を設立し、ヴァドステーナに本拠地を置きました。王室からの潤沢な寄付にも恵まれ、修道会は発展しました。

1350年頃、ビルギッタはローマへ向かいました。その目的は、新たな修道会の設立許可をローマ教皇に願い出ることと、当時の道徳的風潮を正すという使命を実行することでした。教皇ウルバヌス5世は修道会則の確認を1370年まで延期しましたが、その間にビルギッタの人柄はローマで広く敬愛されるようになりました。彼女はたびたび巡礼に出かけ（1373年にはエルサレムへも向かっています）、1373年7月23日にローマで亡くなるまで同地にとどまりました。当初、彼女はサン・ロレンツォ・イン・フォルモーサ教会に埋葬されましたが、後にスウェーデンへ改葬されました。修道会の仕事は娘のカタリナに引き継がれました。1391年、教皇ボニファティウス9世によって聖別され、1415年のコンスタンツ公会議で聖性が確認されました。

ビルギッタは子供の頃から頻繁に幻視を見ていたとされ、その体験は彼女の著作「啓示」にまとめられ、後世に大きな影響を与えました。亡くなる少し前には、地面に横たわる幼児のキリストと、ブロンドの髪をした聖母マリアを幻視で見たと言われています。

その他

1651年、ウィーンにビルギッタの名を冠した礼拝堂が建てられました。1900年には、新しくブリギッテナウという地区が設けられています。

1999年、教皇ヨハネ・パウロ2世はビルギッタをヨーロッパの守護聖人と定めました。彼女の祝日は7月23日（公式には10月8日）です。

キリストが啓示したとされる「スウェーデンのビルジッタの15の祈り」も存在します。

参考文献

マルヨ・T・ヌルミネン 著、日暮雅通 訳『才女の歴史　古代から啓蒙時代までの諸学のミューズたち』東洋書林、2016年。ISBN 9784887218239。

外部リンク

幼児キリストの礼拝 (コレッジョ)
saintbirgitta.com Read the Complete Revelations for free and free download.
Saint Birgitta – At vadstena.se
Saint Birgitta at Sweden.se
article Saint Birgitta of Sweden from Catholic encyclopedia.
Website on Saint Birgitta of Sweden
The Revelations of St. Birgitta of Sweden

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