スウェーデン東インド会社

スウェーデン東インド会社とは

スウェーデン東インド会社（Svenska Ostindiska Companiet, SOIC）は、1731年に設立されたスウェーデンの貿易会社です。当時のスウェーデンは植民地を持たなかったため、ヨーロッパの植民地戦争に巻き込まれることなく、貿易に専念できました。本拠地はヨーテボリに置かれました。

特徴

スウェーデン東インド会社は、主に中国（清）の広東との貿易を重視していました。組織の中心はスコットランド人やオランダ人が担っており、厳密にはスウェーデン「の」東インド会社とは言い切れない側面もあります。

同時代のイギリスやオランダなどの東インド会社と比較すると、規模は遥かに小さく、ウルリカ・エレオノーラ号やフレデリクス号など、わずかな数の交易船しか保有していませんでした。しかし、中立国としての立場を活かし、イギリスとフランスの戦争時に利益を上げ、スウェーデンの経済発展に大きく貢献しました。

イギリスとの関係

スウェーデンの最大の貿易相手国はイギリスであり、イギリス東インド会社はスウェーデン東インド会社を重要な競争相手と見なしていました。スウェーデン東インド会社自体は軍事力を持たなかったため、他国の東インド会社と比べて取るに足らない存在でしたが、その経済的な影響力は無視できませんでした。

衰退と終焉

アメリカ独立戦争では巨額の利益を得ましたが、その終結とともに衰退が始まりました。イギリス東インド会社がスウェーデンとの貿易を制限し、アメリカ合衆国も中国との貿易を開始したことが、スウェーデン東インド会社にとって大きな打撃となりました。ナポレオン戦争も追い打ちをかけ、ネーデルラントがフランスに占領され、大陸封鎖令に参加を余儀なくされたことで、貿易基盤が完全に崩壊。1813年に会社は閉鎖されました。会社はアジア圏へ132回の航海を行いました。

スウェーデンへの影響

スウェーデン東インド会社の経済規模は限られていましたが、スウェーデン経済を支え、学芸・文化の発展にも貢献しました。主な輸入品は中国茶であり、国内消費量が少なかったため、他の貿易港へ再輸出されたり、需要の高いイギリスへ密輸されたりしました。

ヨーテボリにある1750年建造のスウェーデン東インド会社の建物は、現在ヨーテボリ市立博物館として利用されています。

参考文献

玉木俊明『海洋帝国興隆史』講談社〈講談社選書メチエ〉、2014年

関連項目

スウェーデン西インド会社
デンマーク東インド会社
紅茶

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