デンマーク東インド会社

デンマーク東インド会社とは

デンマーク東インド会社は、17世紀初頭から19世紀半ばにかけて存在した、デンマーク＝ノルウェーの勅許会社です。主にアジア地域との貿易を目的とし、2つの会社とアジア会社として再編された歴史を持ちます。

第一の会社 (1616年-1650年)

1616年、クリスチャン4世の時代に設立されました。インドとの貿易を目指し、ギデ提督率いる最初の艦隊がセイロン島（現在のスリランカ）に到達するまでに2年を費やし、多くの乗組員を失いました。1620年にはキャンディ王国と条約を結び、トリンコマリーに最初の植民地を建設しました。

同年には、インド本土のタンジャーヴール・ナーヤカ朝との条約により、トランケバルでの土地と貿易許可を得てダンスボー砦を建設し、デンマーク領インドの拠点としました。しかし、三十年戦争への参加などが原因で経営が悪化し、1643年から1669年まで貿易は完全に停止しました。

第二の会社 (1670年-1729年)とアジア会社(1730年以降)

1670年に第二の会社が設立されましたが、1729年に解散。その後、1730年にアジア会社として再建され、中国との貿易に注力しました。1732年には喜望峰以東の地域での貿易独占権を与えられましたが、1772年に独占権を失い、1779年にはデンマーク領インドは直轄植民地となりました。

その後

ナポレオン戦争中には、イギリス海軍によるコペンハーゲン攻撃を受け、艦隊を失い、ヘルゴラント島を奪われるなどの打撃を受けました。インドにおけるイギリスとの敵対行為により、デンマークの商船が接収される事態も発生しました。最終的に、デンマークは1845年にインド本土の拠点を、1850年には黄金海岸の拠点をイギリスに売却し、東インド会社としての歴史を終えました。

デンマーク東インド会社は、一時はイギリス東インド会社をしのぐほどの茶を輸入し、密輸によって巨利を得ていました。しかし、ヨーロッパの戦争やイギリスとの対立などにより衰退し、最終的には拠点を失うことになりました。

関連事項：
デンマーク領インド
トランケバル伝道団
* デンマーク西インド会社

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