スウェーデン軍

スウェーデン国防軍の概要と歴史



スウェーデン国防軍（Försvarsmakten）は、スウェーデンの陸軍、海軍、空軍の三軍から成り立つ国の軍組織です。また、補助的な組織も含まれています。この国防軍は、スウェーデン国防省に属し、その役割として国防と安全を担っています。

スウェーデンは長い間、中立的な立場を維持していましたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、2024年2月にNATOへの加盟が正式に承認されました。この変化は、周辺の安全保障環境が悪化したことへの対応となるものです。スウェーデンは国産の兵器開発にも注力しており、独自の潜水艦、戦闘機、戦闘車両などを生産して持つことで、軍事力の維持を図っています。

とはいえ、最近の軍事予算は縮小されていますが、自衛のための規模を維持しています。スウェーデンの総人口は約900万人と比較的小規模であり、実戦部隊は約11万人、予備役は30万人を数えます。国防費はGDPの約2%を占めており、これは冷戦後の先進国の中でも高い割合です。

また、徴兵制度が2010年に廃止された後も、郷土防衛隊として3万人以上の人員が維持されています。2018年6月以降には、徴兵制が復活し、毎年4000人の男女が義務付けられています。これは、軍の規模縮小にもかかわらず、海外派遣任務が増え続けていることが影響しています。

歴史的背景



スウェーデンでは、近世まで軍事国家として知られ、特に17世紀から18世紀にかけて欧州に覇権を争っていました。この時期には、スウェーデン国王グスタフ・アドルフが軍事革命の先駆者とされ、三十年戦争でその名を馳せました。

しかし、18世紀の大北方戦争での敗北により、スウェーデンは海洋進出をあきらめ、国土防衛にシフトしました。ナポレオン戦争では反フランス側に立ったものの、フィンランドを失います。その後、ベルナドッテ王朝の成立を経て、スウェーデンは長い間、武装中立の立場を取り続けました。

第一次世界大戦と第二次世界大戦を通じて中立を維持し、冷戦時代もノルディックバランスを重視しました。冷戦の最中、スウェーデンは実際にはNATO加盟国との協力も行い、特に冷戦が「熱戦」に発展した場合にはNATOに参加する意向を示していたことが、戦後になって明らかになっています。

スウェーデン軍の訓練は、ソビエト連邦が仮想の敵とされていましたが、明確な敵国は設定していませんでした。そのため、中立主義を保ちながらも重装備を維持し、周辺国に対する警戒を怠らなかったのです。冷戦後は中立政策が事実上崩れ、国産のサーブ 39 グリペンなどの開発にあたってはアメリカの技術支援を受けるなど、国際的な安全保障と協調路線を強化しています。

組織構成



スウェーデン国防軍は、主に以下の部隊で構成されています：

これらの部隊は、スウェーデンの国土と国民を守るため、日々訓練と準備を重ねています。

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