スカイウエスト航空1834便空中衝突事故

1987年1月15日、アメリカのユタ州で、スカイウエスト航空1834便とムーニー M-20型機が空中衝突するという痛ましい事故が発生しました。この事故は、ソルトレイクシティ国際空港への着陸進入中に起こり、多くの命が失われる結果となりました。

スカイウエスト航空1834便は、ソルトレイクシティ国際空港の滑走路34への着陸を30分遅れて進入していました。ほぼ同時刻に、サウス・バレー地域空港からは、教官と訓練生が搭乗したムーニー M-20が離陸しました。両機は上空で衝突し、制御を失い墜落しました。

衝突後、スカイウエスト航空機の機体の主要部分は金網フェンスをなぎ倒しながら、郊外の住宅街の道路の中央で停止しました。事故発生時の衝撃は大きく、周辺住民は「大きな衝撃音」を聞き、同時に「残骸がいたるところに飛んでいた」と証言しています。犠牲者の遺体は、約1マイル四方に散乱しており、身元確認のために近くの教会に臨時の安置所が設けられるという異例の事態となりました。

事故後の調査で、管制官はスカイウエスト航空機が90度の旋回を開始した際に事故が発生したと主張しました。最終的に、事故の責任はソルトレイクシティ国際空港のレーダーサービス空域に誤って侵入したムーニー M-20の教官パイロットにあると結論付けられました。さらに、ムーニー M-20にはモードCトランスポンダが搭載されていなかったこと、そして航空管制システムによる空中衝突防止の限界も指摘されました。

この事故は、民間旅客機と小型機が空中衝突するという悲劇を繰り返さないためにも、航空安全における重要な教訓を残しました。

関連事項

空中衝突
アエロメヒコ航空498便空中衝突事故: 本件と同様に小型機と民間旅客機が空中衝突した事故。
* パシフィック・サウスウエスト航空182便墜落事故: こちらも小型機と民間旅客機による空中衝突事故です。

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