スカイフラッシュ (ミサイル)

スカイフラッシュ（Skyflash）

スカイフラッシュは、イギリスのBAe社によって開発されたセミアクティブ・レーダー・ホーミング（SARH）方式の視界外射程ミサイルです。このミサイルはアメリカのスパローの発展型として位置付けられており、イギリス空軍などで活用されました。

開発の背景

スカイフラッシュの開発は1973年に始まり、当初はXJ521計画として知られていました。これは、スパローのE型（AIM-7E）を基にしたもので、主な改良点は内部回路系統、特にシーカーや誘導装置、信管にあります。特に、シーカーには逆モノパルス技術が採用され、これにより低空目標に対する対応能力が大幅に向上しています。また、電子妨害に対抗するECCM（対電子妨害能力）も強化されています。その一方で、空力的なデザインはほとんど変更されていないため、スパローとの搭載互換性も保たれています。

ミサイルの構造

スカイフラッシュの制御は、中央部に配置された4枚の動翼によって行われ、尾部には安定翼が取り付けられています。これにより、ミサイルは発射後に高い操縦性を持って目標に向かうことができます。

実戦配備と運用

スカイフラッシュは1978年にイギリス空軍に実戦配備が始まり、特にF-4戦闘機に搭載されることが多くなりました。また、1985年からはトーネード ADVにも搭載され、F-4、トーネードの両機種において、胴体下部に4発が半埋め込み式で搭載されます。これにより、ミサイルは発射の際に素早く反応できるようになっています。

改良型とその後

1991年には、スカイフラッシュの改良型としてアクティブ・レーダー・ホーミング誘導式のスカイフラッシュ Mk.2の開発が検討されましたが、この計画は同年中に中止されました。その後、ラムジェット推進技術を用いたS225Xの研究も行われましたが、こちらも実用化には至りませんでした。

退役と後継機

イギリス空軍では1996年からAIM-120の導入に伴い、スカイフラッシュの退役が進められました。そして2006年には全ての運用が終了しました。スカイフラッシュの後継機として、イタリア、ドイツ、フランスの共同開発によるミーティアが登場しています。

使用国

スカイフラッシュは、主に以下の国で使用されています：

• - イギリス: イギリス空軍でF-4、トーネード ADVに搭載。
• - イタリア: イタリア空軍モニターとしてトーネード ADVに搭載。
• - サウジアラビア: サウジアラビア空軍でもトーネード ADVに搭載。
• - スウェーデン: スウェーデン空軍でサーブ 37 ビゲンに「Rb71」の名称で採用されています。

このように、スカイフラッシュはその優れた性能から、冷戦時代の航空戦術において重要な役割を果たしました。

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