スカイ・ハイ (TAKE YOU TO THE SKY HIGH)

角松敏生の3枚目のシングル「スカイ・ハイ (TAKE YOU TO THE SKY HIGH)」は、1983年4月21日にリリースされました。彼のキャリアにおいて初のセルフプロデュース、セルフアレンジ作品であり、アルバム『ON THE CITY SHORE』からの先行シングルとして注目を集めました。

シングルとアルバムではタイトル表記に違いがあり、シングルでは副題を含めた「スカイ・ハイ (Take You To The Sky High)」と表記されている一方、アルバムでは「TAKE YOU TO THE SKY HIGH」と表記され、以降はこちらのタイトルで統一されています。この違いは、角松敏生が当時、シングルとアルバムで同一のアレンジを極端に嫌っていたというこだわりから生まれたものです。その結果、シングルバージョンとアルバムバージョンでは、間奏部分のアレンジが大きく異なっています。シングル版では数原晋によるトランペットソロが、アルバム版では友成好宏によるシンセサイザーソロが使用されています。

この曲は、発売当時からライブでの定番曲として演奏され、独特の盛り上がりを見せています。特にサビの部分では「Sky High」のフレーズに合わせて観客が紙飛行機を飛ばすという演出が、全国に広まりました。この演出は現在もライブの定番として受け継がれ、会場全体が紙飛行機で埋め尽くされる光景は圧巻です。後にリリースされたベストアルバム『1981-1987』には、シングルバージョンをベースに楽器の追加やボーカル、コーラスの録り直しが行われたリテイクバージョンが収録されました。

カップリング曲の「LONELY GOOFEY」はアルバム未収録楽曲です。当初はアルバムに収録する予定もありましたが、アナログレコードの特性上、収録時間を長くすると音質の劣化につながるため、やむを得ず収録を見送られた経緯があります。しかし、この曲も『1981-1987』にリテイクバージョンで収録されました。リテイク版ではボーカルやピアノパートの録り直しに加え、角松敏生自身によるドラムの差し替えが行われています。「LONELY GOOFEY」は、角松敏生がサーフィンを始めた頃に感じたイメージを曲にしたもので、サーファーの友人への捧げ歌として制作されました。

「スカイ・ハイ」はSchickのテレビCMソングにも起用され、シングルジャケット写真にはCMで使用された映像が使用されています。ジャケットの裏面には両曲の歌詞と、アルバム『ON THE CITY SHORE』の発売告知が記載されています。

レコーディングメンバーは、ドラムに菊池たけお、エレクトリックベースに青木智仁、エレクトリックギターに角松敏生と太田経彦、ピアノ、シンセサイザーに佐藤準、パーカッションに磯光弘、トランペットソロに数原晋、バックボーカルに東恵子、磯光弘、白石佳彦、角松敏生と豪華な顔ぶれが参加しました。佐藤準はブラスとストリングスのアレンジも担当しています。これらの詳細な情報から、このシングルが角松敏生にとって、音楽的にも商業的にも重要な作品であったことが分かります。

シングル「スカイ・ハイ」は、音楽史に残る名曲として、現在も高い人気を誇っています。その背景には、角松敏生自身の音楽性に対するこだわり、そして、聴く者の心に深く響くメロディーと歌詞、そして、ライブにおける観客参加型の演出など、多くの要素が絡み合っています。

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