スキャンダル (1993年のテレビドラマ)

『スキャンダル』

『スキャンダル』は、1993年6月29日から8月6日までフジテレビ系で放送されたテレビドラマで、全29回にわたって毎週月曜日から木曜日の9:55から10:25に放送されました。「妻たちの劇場」として知られるこの枠で、多くの視聴者に衝撃を与えた作品です。

あらすじ

物語の中心にいるのは、女性教師である葉山珱子（大塚寧々）です。幼少期に帯びたトラウマが彼女の人生を深く影響し、心の闇を抱えながら成長します。サーカスのピエロに性的いたずらをされた経験を持つ彼女は、自身の父親が血のつながりのない存在であることを知ることで、家族の絆や信頼を失い、ストイックな性格に変わっていきます。

成長した珱子はカウンセラーに通うようになりますが、ここでもさらなるマインドコントロールに苦しむことになります。そんな中、彼女はエアコンの修理に来た立花（白竜）と出会い、彼の存在が彼女の運命を大きく変えることになります。

一方、珱子が勤務する『私立聖淑女学院』の生徒たちは、ブルセラショップ「スタジオ アリス」に制服を持ち込む中で、店主の黒木（大杉漣）と親しい関係を築いていきます。彼女がこの店を訪れた際、黒木は珱子をターゲットにし、精神的に追い詰めようとします。珱子は彼によって監禁され、精神的な虐待を受ける日々が続きました。

事態が急変したのは、珱子が黒木の襲撃を受けた時です。逃げようとした彼女が、ナイフの事故とも言える形で黒木を刺してしまい、彼の命を奪ってしまいます。この瞬間を目撃した立花は、珱子が黒木を殺したと告白し、彼女を守るために立ち上がることを決意します。

しかし、珱子は多くの要因が絡み合った結果、精神的な分裂を経験し、ストイックな本来の彼女とは全く異なる、淫らで男好きな人格が現れるようになります。この新たな人格へと変貌することで、彼女の記憶は失われ、周囲の人たちとの関係が複雑化していきます。そんな彼女を立花は常に支えようとしながらも、同時に彼女を追う警察の手にも脅かされています。

物語はやがて終局を迎え、立花の助けによって珱子は二つの人格の統合を果たします。トラウマやマインドコントロールを乗り越える一方で、黒木を殺害してしまった記憶も再び浮上してきます。彼女は立花と共に奈良の山奥へ逃避行し、そこで贖罪の意を込めて命を絶つという衝撃的な結末が待っています。

出演者

• - 葉山 珱子（私立聖淑女学院の女性教師） - 大塚寧々
• - 立花 肇（電気工） - 白竜
• - 黒木（ブルセラショップ「スタジオ アリス」店主） - 大杉漣
• - 世良 泉（生徒） - 浅野麻衣子
• - 小島 恵（生徒） - 望月まゆ（Melody）
• - 村井 - 田中健三
• - 渋谷 重信（刑事） - 山田辰夫
• - カウンセラー - 前田昌明
• - ピエロ - 三雲いおり
• - 葉山 洋司（珱子の父） - 大出俊
• - 安達 麗子（クラブのママ） - 広田玲央名

スタッフと音楽

本作は、遠藤龍之介（フジテレビ）と中山和記の企画により制作され、山永明子が脚本を担当、石田勝範がテーマをアレンジしました。演出は佐藤祐市が手掛け、制作はフジテレビと共同テレビが行っています。また、主題歌にはブライアン・メイの「愛の結末 (Too Much Love Will Kill You)」が使用されました。

ソフト化の状況

『スキャンダル』は放送翌年の1994年に、タイトルを『私立聖淑女学院 スキャンダル』とし、全6巻のVHSがリリースされましたが、その後新たなソフト化は行われていません。なお、ビデオ化に際しては現行の音楽著作権の都合上、当初使用されていた楽曲は変更されている点も注目されます。

このドラマの圧倒的な衝撃は、視聴者に深く刻み込まれ、多くの議論を呼び起こしました。

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