ブルセラ

ブルセラ：社会現象としての女子高生制服

はじめに

「ブルセラ」とは、ブルマーとセーラー服を組み合わせた造語であり、アダルトグッズとしての意味合いを持つ日本の俗語です。高度経済成長期から20世紀末にかけて、学校制服として広く用いられていたブルマーとセーラー服が、成人向け雑誌のグラビアなどで頻繁に用いられるようになったことが、ブルセラの起源です。1990年代にはブルセラショップがブームとなり、中古の女子高生制服などが盛んに取引されました。しかし、警察の摘発やインターネットの発達により、ブルセラショップは衰退。現在では、インターネットオークションやフリマサイトでの取引が主流となっています。

ブルセラの歴史と現状

ブルセラの起源は、1985年創刊の雑誌『熱烈投稿』に掲載された連載記事「月刊ブル・セラ新聞」に遡ります。1990年代には、ブルマーとセーラー服を着用したグラビアが多くの成人向け雑誌で掲載され、ブルセラは社会現象となりました。特に1992年に創刊された雑誌『クリーム』などは、ブルセラのグラビアを多く掲載し、そのブームを牽引しました。

このブームを背景に、全国各地にブルセラショップが出現。中古の制服や体操服、下着などが販売されていました。しかし、警察の摘発やインターネットオークションサイト、フリマサイトの普及により、21世紀にはほとんどのブルセラショップが姿を消しました。

現在では、インターネット上での中古制服の取引が盛んに行われています。ヤフオク!やメルカリなどのプラットフォームでは、新品・中古問わず学校制服が取引されており、サイト側の規制強化にもかかわらず、規制をかいくぐる形で取引が継続されています。また、個人のウェブサイトやSNS上でも、使用済みの下着を販売する「売り子」と呼ばれる女性も存在します。

ブルセラショップの取引形態

ブルセラショップにおける取引形態は大きく分けて2種類ありました。

1. 買受形態: 女子高生から制服などを買い取り、顧客に販売する形態です。女子高生はショップとしか取引せず、顧客とは直接関わりません。
2. 受託あっせん形態: 女子高生が直接顧客と取引する場を提供する形態です。ショップは手数料を受け取ります。

どちらの形態も、女子高生にとって安易な経済的手段となる側面があり、その利益を娯楽やファッションに使うことが多かったようです。


ブルセラと法規制

1993年には警視庁が初めてブルセラショップを摘発しました。当時は18歳未満の下着売買を直接規制する法律がありませんでしたが、古物営業法や職業安定法違反で摘発されました。その後、各自治体が青少年保護育成条例を改正し、18歳未満の着用済み下着の売買を規制するようになりました。これにより、18歳未満が関わるブルセラショップは衰退しました。しかし、親から所有権を移譲するなどの方法で規制を回避しようとする動きもありました。

中国における「JK制服」人気

日本のブルセラは、隣国の中国にも影響を与えています。「JK制服」と呼ばれる日本の女子高生制服は、中国のZ世代の女性の間で新たなファッションとして人気となっています。日本のアニメや漫画の影響もあり、中国国内で「JK制服」を製造・販売するブランドも多数誕生しています。中国では「JK制服」は単なるコスプレではなく、一般的なファッションとして受け入れられています。

指定制服の一般流通阻止

学校指定の制服は、当該校の生徒であることを示す役割を果たします。そのため、目的外利用による学校のイメージダウンを防ぐために、制服販売店や学校、オークションサイトなどは様々な対策を講じています。しかし、卒業生が自身の制服を一般流通させる以上、完全に阻止することは困難です。

まとめ

ブルセラは、日本の社会構造や文化、そしてインターネットの発達と規制の問題を反映した複雑な社会現象です。中国における「JK制服」人気は、そのグローバルな影響力の大きさを示しています。今後、青少年の保護育成と個人の自由のバランスをどのように取っていくのかが課題となっています。


関連項目

コスプレショップ
古物商
女子高生
下着フェティシズム
* 青少年保護育成条例

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