スクラム (ラグビー)

ラグビーにおけるスクラム：詳細解説

スクラムは、ラグビーユニオンやラグビーリーグで、軽微な反則やプレー中断後に試合を再開するために行われる、重要なセットプレーの一つです。この記事では、スクラムの基本的な概念から、その構成、ルール、歴史、そしてラグビーユニオンとラグビーリーグにおける違いまでを詳しく解説します。

スクラムの概要

スクラムは、特にラグビーユニオンにおいて重要な役割を果たします。フォワードの選手たちが3列に組み合わさり、相手チームと押し合うことでボールを奪い合います。スクラムハーフが両チームのフロントローの間にボールを投入し、フッカーが足でボールを掻き出すことで、ボールの争奪戦が繰り広げられます。

ラグビーユニオンとリーグでは、スクラムの形式と重要度が異なります。ユニオンでは、双方がボールを奪い合うために押し合うことが一般的ですが、リーグでは、スクラムはより形式化されており、ボールを投入したチームがほぼ確実にボールを保持します。

ラグビーユニオンのスクラム

ラグビーユニオンのスクラムは、8人のフォワード選手で構成され、フロントロー、セカンドロー、バックローの3列で組まれます。

フロントロー: フッカー（HO）と左右のプロップ（PR）の3人。
セカンドロー: 左右のロック（LO）の2人。
* バックロー: ナンバーエイト（NO8）と左右のフランカー（FL）の3人。

スクラムを組む際には、レフェリーの指示に従い、安全に組み合うことが重要です。「クラウチ」のコールで身をかがめ、「バインド」でプロップが相手の肩を掴み、「セット」でフロントロー同士が組み合います。ボールはスクラムハーフによってトンネルに投入され、フッカーが足で掻き出してボールを確保します。

スクラムには多くのルールが存在し、違反するとフリーキックやペナルティーキックが科せられます。例えば、スクラムは静止した状態でなければならず、ボールはトンネルの中央に正確に投入する必要があります。また、フロントローはスクラムが開始してから終了するまで、しっかりとバインドを維持しなければなりません。

7人制ラグビーのスクラム

7人制ラグビーでは、スクラムはフロントローの3人とスクラムハーフのみで構成されます。通常の15人制ラグビーに比べて、よりスピーディーな展開が求められるため、スクラムの簡略化が進んでいます。

ラグビーリーグのスクラム

ラグビーリーグのスクラムは、ノックオンやスローフォワードなどの軽微な反則後、またはボールがタッチラインを割った後に試合を再開するために行われます。6人の選手で構成され、3-2-1のフォーメーションで組まれます。

スクラムハーフがフロントロー間にボールを投入し、双方がボールを奪い合います。ボールを確保したチームは、スクラムハーフまたはルースフォワードがボールを回収し、オープンプレーに戻ります。

ラグビーリーグのスクラムは、ユニオンに比べて形式化されており、ボールを投入した側が有利になる傾向があります。また、スクラムの回数が少ないため、バックプレーやスペシャルプレーのためのスペースが生まれやすく、戦術的な重要性が高まっています。

スクラムの歴史

「スクラメージ」という言葉は、「スクリメージ（小競り合い）」から派生したもので、初期のラグビーではスクラメージとルーズスクラム（現在のラック）の区別がありませんでした。1871年にラグビーのルールが再編された後も、スクラメージ内の選手の目的は相手のゴールラインに向かってボールをキックすることでした。

現代のラグビーユニオンのスクラメージとラック、ラグビーリーグのplay-the-ball、アメリカンフットボールのスナップとスクリメージは、全て初期のスクラメージの派生型です。

まとめ

スクラムは、ラグビーにおいて試合の流れを大きく左右する重要なプレーです。その構成、ルール、そして戦術的な意味合いを理解することで、ラグビー観戦がさらに面白くなるでしょう。この記事が、スクラムについての理解を深める一助となれば幸いです。

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