スクラムダイナ

スクラムダイナ：無敗の3歳王者から、その後の波瀾万丈な生涯

スクラムダイナ（Scrum Dyna）は、1982年3月21日生まれの競走馬です。社台グループの期待を背負い、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。矢野進厩舎に入厩し、デビュー戦では圧巻の走りで10馬身差をつける圧勝劇を演じました。続く白菊賞も制し、2戦2勝で朝日杯3歳ステークスへと駒を進めました。

朝日杯3歳ステークスでは、4番人気と評価されましたが、レースでは持ち前の能力を発揮。最終コーナーで外に持ち出し、鋭い脚で抜け出して見事優勝を飾りました。3戦3勝、無敗で東の3歳王者に輝き、さらにダイゴトツゲキを抑えてJRA賞最優秀3歳牡馬にも選出されました。名実ともに無敗の3歳王者としての地位を確立したのです。

4歳時、クラシック戦線への期待が膨らむ中、スプリングステークスに挑みました。このレースには、西の3歳王者ダイゴトツゲキやミホシンザン、サザンフィーバーなど、多くの有力馬が出走しました。スクラムダイナは岡部幸雄騎手とのコンビでレースに臨みましたが、サザンフィーバーの落馬というアクシデントの影響を受け、ミホシンザンに敗れ2着となりました。サザンフィーバーはその後、予後不良により安楽死となりました。

続く皐月賞では、ミホシンザンが圧倒的な人気を集める中、スクラムダイナは4番人気でレースに臨みました。レースでは、直線で外に持ち出しての瞬発力勝負を試みましたが、ミホシンザンに5馬身差をつけられて2着に終わりました。

そして迎えた東京優駿（日本ダービー）。ミホシンザンの故障欠場により、シリウスシンボリが本命視される中、スクラムダイナは4番人気に甘んじました。レースは重馬場となり、スダホークが逃げを打ちました。スクラムダイナは外を回って追い上げましたが、スダホークを差し切ることはできず、写真判定の結果、3着となりました。さらに、レース後に右第3中手骨の骨折が判明し、手術を受けましたが、現役復帰は叶わず、惜しまれつつ引退することとなりました。

引退後は、社台スタリオンステーション荻伏にて種牡馬として繋養されました。しかし、期待されたほどの活躍馬を輩出することはできず、1992年11月25日付で用途変更となり、種牡馬を引退しました。その後のスクラムダイナの消息は不明です。

スクラムダイナは、その短くも華麗な競走生活で多くのファンを魅了しました。無敗の3歳王者として名を馳せ、クラシックレースでも好成績を残したその能力は、今もなお語り継がれています。しかし、その後の種牡馬生活や、引退後の消息が不明な点も、彼の生涯に謎めいた魅力を与えています。スクラムダイナは、競走馬としての輝かしい実績と、その後の謎めいた生涯によって、競馬史に名を残す一頭と言えるでしょう。

もう一度検索