スダホーク

スダホーク：長距離の貴公子、その生涯

1982年4月6日、北海道浦河町の山内静雄牧場で生まれたスダホークは、数々の重賞競走で活躍した競走馬です。ミスオンワードという名牝を曾祖母に持つ、優れた血統を受け継いでいました。しかし、牧場時代は他の馬に埋もれ、特に注目を集める存在ではありませんでした。

転機は2歳春の訪れです。美浦トレーニングセンターの古山良司調教師と馬主の須田松夫氏が見初めたことで、スダホークは800万円で須田氏に買い取られます。須田氏は長距離レースを好む馬主として知られており、スダホークの父がステイヤーのシーホークであったことが、購入の決め手となりました。

競走馬としての華麗なるキャリア

1984年11月、スダホークは3歳でデビュー。初勝利を挙げると、弥生賞（GIII）では5番人気ながら見事な逃げ切り勝ちを収め、重賞初制覇を飾ります。続く皐月賞では6着と結果を残せませんでしたが、日本ダービーでは2着、菊花賞でも2着と、クラシックレースでその実力を証明しました。

4歳以降も活躍は続きます。アメリカジョッキークラブカップ（GII）、京都記念（GII）、阪神大賞典（GII）と、重賞競走で勝利を重ね、合計4勝を挙げました。天皇賞（春）や宝塚記念では3着に入るなど、GI競走でも常に上位を争う存在として、競馬ファンの注目を集めました。

スダホークの長所は、その粘り強い走りでした。後方から追い込むスタイルを得意とし、最後の直線で驚異的な末脚を見せ、多くの競争相手を抜き去りました。特に長距離レースではその能力が際立ち、多くのファンを魅了しました。

しかし、1988年7月、持病の裂蹄が悪化し、競走馬としてのキャリアに幕を閉じます。

種牡馬、そして乗馬へ

競走馬を引退したスダホークは、須田氏によって種牡馬として日高軽種馬農協浦河種馬場に繋養されました。その後、1994年に種牡馬を引退し、乗馬として門別町の日高オーシャンファームに移籍。1995年にはテレビ番組『さんまのナンでもダービー』の企画にも参加し、その元気な姿が全国に届けられました。

2003年4月16日、胃破裂のため死亡。多くの競馬ファンに惜しまれながら、その生涯を終えました。

血統と性格

スダホークの血統には、曾祖母に桜花賞とオークスを制したミスオンワードを持つなど、優れた競走馬の血が流れていました。母系には気性難の血も受け継いでいましたが、スダホーク自身は穏やかな気性で知られ、調教師や騎手からも信頼される存在でした。

競馬評論家との繋がり

須田鷹雄氏という競馬評論家は、スダホークを自身の最も好きな馬と公言しており、そのペンネームもスダホークに由来しています。この事実は、スダホークがいかに多くの競馬関係者に愛されていたかを物語っています。

スダホークは、その華麗な競走馬としての活躍、そして種牡馬、乗馬としての第二、第三の馬生を通じて、競馬史に名を残す存在となりました。その名前は、多くの競馬ファンの記憶に今も鮮やかに刻まれているのです。

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