スコットランドラグビー協会

スコットランドラグビー協会（SRU）は、スコットランドにおけるラグビーユニオン競技を統括する主要組織です。世界ラグビーを統轄するワールドラグビーの一員であるSRUは、イングランドラグビー協会に続いて設立された、世界で二番目に古い歴史を持つ由緒ある団体として知られています。

歴史

その起源は、1871年に設立されたイングランドのラグビーフットボールユニオンに遡ります。この組織には当初、イングランド国内だけでなく、スコットランドのラグビークラブも加盟していました。

ラグビー史における重要な出来事として、世界で初めてのラグビー国際試合が挙げられます。これは1871年3月27日、イングランド協会に所属していたスコットランドの五つのクラブから選出された選手たちによる「スコットランド代表」とイングランド代表との間で行われました。試合会場は、スコットランドの首都エディンバラにあるレイバーン・プレイスで、約4,000人の観客が歴史的な瞬間を目撃しました。

この国際試合から間もなく、1873年3月3日には、スコットランド独自の統括組織であるスコットランドフットボール協会（SFU）が設立されました。設立メンバーには、先の国際試合に参加した五つのクラブに加え、新たに三つのクラブが加わり、合計八つのクラブが名を連ねました。

国際的なラグビーの発展においても、SFUは重要な役割を果たしました。1886年には、アイルランドおよびウェールズ両協会とともに、現在のワールドラグビーの前身となる国際ラグビーフットボール評議会（IRFB）の設立に貢献しました。なお、イングランド協会は当初IRFBへの加盟を見送っていましたが、1890年には加入しました。

SFUは1924年にその名称を改め、現在のスコットランドラグビー協会（SRU）となりました。国際試合の主要会場は、レイバーン・プレイスから隣接地に造られたインヴァリースへと移り、現在のホームスタジアムであるマレーフィールド・スタジアムが1925年3月21日に完成するまで利用されました。

協会設立から150年を迎えた2021年2月6日には、これを記念してシックス・ネイションズでのイングランド戦が開催されました。当時のスコットランド代表キャプテン、スチュアート・ホッグ選手の着用したジャージには、1871年の初代キャプテン、フランシス・モンクリフ氏の名前が刺繍され、その歴史への敬意が示されました。

7人制ラグビーとの関わり

スコットランドは、世界中で親しまれている7人制ラグビーの発祥地としても特別な位置を占めています。1883年、ジェドバラ出身の肉屋であったネッド・ヘイグ氏が、自身が所属するメルローズクラブの資金を集めるためのイベントとして、少人数制の新しいラグビー形式を考案したのが始まりとされています。この新しい形式での最初の大会は、同年10月12日、エディンバラのロイヤルマイルで行われたと言われています。

7人制ラグビーは国際的に広がりを見せ、SRU設立100周年にあたる1973年には、マレーフィールド・スタジアムで史上初の公式国際セブンズ大会が開催されました。その3年後には、現在の主要な国際大会の一つである香港セブンズも誕生しています。

1993年に創設されたラグビーワールドカップセブンズの優勝トロフィーは、7人制ラグビーの考案者であるネッド・ヘイグ氏と、彼が所属していたメルローズクラブにちなんで「メルローズカップ」と名付けられています。7人制ラグビーは、そのスピードとエンターテイメント性が評価され、2016年にはオリンピック競技としても採用されるに至りました。

SRUは、世界最古の国際試合の開催国であり、7人制ラグビーという新たな形式を生み出した国として、世界のラグビーの歴史と発展に深く関わってきました。その長い歴史は、スコットランドにおけるラグビーの情熱と貢献を物語っています。

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