スコット・マクレーン

スコット・マクレーン：不屈の助っ人、日米球界を渡り歩いた男

スコット・マイケル・マクレーン（Scott Michael McClain, 1972年5月19日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の元プロ野球選手。内野手として、主に三塁を守った。その愛称は「マック」。日米の球団を渡り歩き、記憶に残る活躍を見せた。

プロ入りとメジャーデビュー

1990年のMLBドラフトでボルチモア・オリオールズから指名を受けプロ入り。その後、ニューヨーク・メッツを経て、1998年にタンパベイ・デビルレイズで念願のメジャーデビューを果たす。しかし、1999年オフに解雇され、2000年はコロラド・ロッキーズ傘下のAAA級でプレー。

西武ライオンズでの活躍

2001年、マクレーンは東尾修監督率いる西武ライオンズに入団。同じく新加入のアレックス・カブレラとのコンビは「ツイン・バズーカ」と呼ばれ、その破壊力で日本のファンを沸かせた。この年、マクレーンは39本塁打を放ち、チームの勝利に大きく貢献。しかし、翌2002年は手首の故障に苦しみ、シーズンを棒に振ってしまう。

2003年は26本塁打を記録するものの、外角の変化球への弱点を相手に突かれ、打率は.225と低迷。ホセ・フェルナンデスとの入れ替えで、惜しまれつつも西武を解雇された。

苦労人から再び西武へ

2004年、シカゴ・カブスとマイナー契約を結んでいたマクレーンに、再び西武から声がかかる。カブレラの故障により長距離砲の補強が急務となったチームは、マクレーンに白羽の矢を立てた。2軍ではイースタン・リーグの本塁打王に輝くなど、その実力を見せつけたが、1軍では打率.181、4本塁打と振るわず、同年限りで再び解雇。

この年、マクレーンが背番号「00」を使用したことは、西武ライオンズ球団史上初の出来事であった。

メジャー復帰と初本塁打

2005年、マクレーンはカブスで7年ぶりのメジャー復帰を果たす。その後も、オークランド・アスレチックス傘下のAAA級サクラメントでMVPに選ばれるなど、着実に実績を重ねた。2007年にはサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、再びメジャー昇格を掴む。

2008年はAAA級で打率.300、29本塁打、108打点という好成績を残し、シーズン終盤にメジャーへ。そして9月3日、対コロラド・ロッキーズ戦で、プロ19年目、36歳にしてついにメジャー初本塁打を放った。

広島東洋カープでの挑戦

2009年、マクレーンは広島東洋カープと契約。5月2日の対東京ヤクルトスワローズ戦で5番・レフトとしてスタメン出場し、移籍後初本塁打を放つ。栗原健太に次ぐチーム2位の18本塁打を記録するも、調子の波が激しく、同年限りで退団となった。

引退後

2010年、マクレーンはカブスのスカウトに就任。同年オフには、広島の駐米スカウトとしてアメリカ東部地区を担当した。

プレースタイルと人物

マクレーンは、三塁守備における堅実なグラブ捌きと強肩が持ち味であった。西武在籍時代には、試合終盤に守備固めとして起用されることも多かった。また、アレックス・カブレラが欠場した際には、一塁を守ることもあった。

松井稼頭央とは、西武時代から親交があり、代官山で食事をしたり、マクレーンの自宅があるフロリダに遊びに行くなど、親密な関係を築いていた。

スコット・マクレーンは、その不屈の精神と明るい人柄で、多くのファンに愛された。日米の球団を渡り歩き、それぞれの場所で記憶に残る活躍を見せた、まさに「助っ人」と呼ぶにふさわしい選手であった。

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